楽天は、近年の訪日外国人の旅行・観光動向から、新たなインバウンドのトレンドを明らかにした。
2015年5月、訪日外国人旅行者数は過去最多に
日本政府観光局(JNTO)が発表した「訪日外客数の動向」データによると、2015年1~5月の累計訪日外国人旅行者数は前年比+44.9%と大幅に増加した。また、円安傾向の継続や航空路線の新規就航や増便などにより、夏休み期間のインバウンド予約は前年同期比+104.9%と海外から日本への旅行需要は好調に推移している。
「ゴールデンルート」による地域格差
2014年の都道府県別外国人延べ宿泊者数シェアを見ると、上位には東京から大阪を結ぶ「ゴールデンルート」エリアへの偏りがみられた。観光庁が発表した2015年版『観光白書』では、客室稼働率が東京都は81.5%、大阪府は81.4%と主要都市は8割を超える。一方で、47都道府県の稼働率の標準偏差は7.7%から10.2%に拡大し、地域差が広がったことを指摘している。
個人の訪日外国人旅行者は「ゴールデンルート以外」を好む傾向に
同社のサービス「楽天トラベル」では全国約1万8,000施設が外国語ページを設けており、2015年5月の外国人旅行取扱額は前年同期比+73.1%と伸張し、個人の訪日外国人旅行者の予約が好調に推移した。
彼らの中には、来日が2回目以降のリピーターが多く、定番スポットをはずしたエリアや泊まったことのない宿を探す傾向がある。同サービスで発表した「外国人に人気の温泉地ランキング」でも、ゴールデンルートに含まれる「河口湖温泉」が1位にランクインした一方で、2位には大分県の「由布院温泉」、3位には岐阜県の「飛騨高山温泉」が続き、ゴールデンルート以外の温泉地への人気が見られた。
また、宿泊施設では「口コミ」やSNSがきっかけで外国人旅行者の予約が増加する宿も現れ、旅行先での観光アクティビティーも「日本の日常を体験する」ツアーへの関心が高まるなど、訪日旅行に変化が生まれているようだ。
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