米フェイスブックの最高製品責任者クリス・コックス氏が来日。2016年における同社の製品展望と新機能を発表した。本記事では特に大きく取り上げられた、「インスタント記事(Instant Articles)」のテスト導入と「リアクション」機能の導入について紹介したい。
インスタント記事は2015年5月に米国で提供が開始されたサービス。Webの記事をFacebookアプリ内のニュースフィードでインタラクティブなコンテンツとして素早く表示できるようになる。これにより、通常の記事よりも10倍以上速く読み込まれるほか、写真のパン・チルトができたり画面遷移なくタップで記事が表示されたり、動画の自動再生がされるなど、これまでにない体験が可能となる。
現在、世界各国の350以上の媒体社がインスタント記事のテストプログラムに加入し、100社以上が毎日インスタント記事の配信をしている。なお、これらの記事はスマートフォンのFacebookアプリの利用者ならば誰でも閲覧が可能。コックス氏曰く「子どもが初めてスクリーンに触れたような驚きを大人も体験できる」かたちを目指したという同サービスに、今回、日本語のコンテンツも加わるわけだ。
パートナー企業は参画を通し、スマートフォンでストレスなく読まれる記事の模索や、SNS拡散による新規読者獲得施策、Facebookユーザーと相性の良いコンテンツの検証などに取り組む。
もう一つの目玉が「リアクション」機能だ(この機能は、既に気付いているかたもおおいかもしれない)。これは従来の「いいね!」ボタンから、さらに多様な感情表現ができるようになったもの。「いいね!/超いいね!/うけるね/すごいね/悲しいね/ひどいね」の6種類が用意されている。これらは、世界中でのFacebook上でのやりとりを分析、世界的に共通した表現をアイコン化したもの。携帯端末では長押し、デスクトップからはマウスオーバーすることで利用できる。
同機能を導入されたのは日本で6か国目。機能の導入効果について、「数字以上に感情の表現が深まっていると感じます」とコックス氏は語る。テロなどの痛ましい事件や事故について、これまで以上に深いコミュニケーションが実現されているという。
現在、Facebookには10億人が1日に平均15回訪れているという。何万年分もの莫大な時間が、1日で表現されている。この時間が有益な時間になるようにする責任があるとコックス氏。そのために、スマホシフトに合わせたサービスの提供や、動画サービスの拡充、グループ機能の活用事例の紹介といった様々な取り組みが進んでいる。キーワードは、より視覚的でリッチであることだという。プラットフォームとして進化を続けるFacebookが、一般ユーザーや企業にどのような影響を与えていくのか。今後も注目したい。
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