インテージは、20代前半(20~24歳)の「イマドキ男子」によるメディア接触状況について、テレビ広告の分野で使われることの多い性年代区分「M1」(20~34歳男性)全体と比較することで、彼らのメディア利用実態と特徴的な価値観を明らかにした。
サマリー
・テレビのプライムタイムもスマホ離さず、スマホ利用時間はテレビの2倍超
・最もスマホを利用するのは22時台。この時間帯に利用しているアプリは、LINEは8割、Twitter・YouTubeは6割。Instagramは2割、Facebookは1割に満たず
・6割弱がTwitterで100人以上フォロー、5割が100人以上からフォローされている。「つながる」ための行動に「周囲からの見え方・評価」気にする心理
テレビのプライムタイムもスマホ、利用時間はテレビの2倍超
インテージは、パソコン・スマートフォン・タブレット端末からのウェブサイト閲覧やテレビ視聴に関するデータ「i-SSP(インテージシングルソースパネル)」で、「イマドキ男子」および「M1」層における1日のテレビとスマホの利用時間を分析した。
「イマドキ男子」、「M1」ともに、どの時間帯においてもスマホの利用時間がテレビを大きく上回っていて、テレビの看板番組が並ぶプライムタイムと言われる時間帯(19~23時)においても倍以上の開きがある。
「イマドキ男子」に関しては、最も利用時間の多い22時台のスマホ利用時間は平均で約17分。「片時もスマホを手放さない」というイマドキ男子もそれなりにいると考えられる。
スマホの利用状況を、「イマドキ男子」と「M1」で比較すると、朝9時から深夜帯まで、ほぼどの時間帯においても、「イマドキ男子」のほうがスマホ利用時間が長いことがわかった。一方で、テレビ視聴は「M1」が「イマドキ男子」を上回っており、スマホの利用状況と対照的な結果となった。
「イマドキ男子」が最もスマホを利用する22時台
では、「イマドキ男子」はスマホで何をしているのか。
「i-SSP」のスマホアプリ利用ログデータによって、彼らのスマホ利用が最も活発な「22時台」にフォーカスすると、SNS系では「LINE」「Twitter」「Instagram」が「M1」よりも利用率が高くなった。
特に「Twitter」は、「M1」より利用率が20ポイント以上高くなったことが特徴的だ。「Instagram」も12位と、「M1」と比較して活発な利用となった。一方、「Facebook」は、「イマドキ男子」にとってはやや弱い接点となっているようだ。彼らにとって、SNS系サービスの中でも細かな使いわけが重要であることが推測できる。
利用時間では、SNS系アプリ以外にも、YouTube(動画)を筆頭とした動画系アプリやゲーム系アプリが上位にランクインし、利用時間も「M1」より長くなっている。このように、「M1」としてくくられる若年男性の中でも、「イマドキ男子」のメディア接触行動は異なっていることがわかる。
「イマドキ男子」の6割弱がTwitterで100人以上フォロー
次に、「生活者360°Viewer」によってSNSの利用状況を詳しく見てみると、前述のとおりLINE、Twitter、Instagramの利用が活発で、利用頻度やフォロー数・フォロワー数、投稿者割合も「M1」を上回り、Facebookについては「M1」を下回っていた。
次に、彼らの価値観の特徴に注目すると「周囲からの見え方や評価」を多分に気にする心理があぶり出された。
さらに、SNSの行動の特徴を見ると、情報収集や発信、つながるための行動、それぞれにおいて「イマドキ男子」の関与が強いことがわかる。
「他人からどう見えるか」はSNS上で「映え」を追い求める心理に通底するという。TwitterやInstagramで絶えず周囲を見回し、今をとらえ、自分をチューニングする。そうした彼らの日々の努力がこのプロファイリングから伝わってくるとインテージは分析している。
なお、本調査は、SCI(全国個人消費者パネル調査)を基盤に、同一対象者から新たにパソコン・スマートフォン・タブレット端末からのウェブサイト閲覧やテレビ視聴情報に関して収集したデータである「i-SSP(インテージシングルソースパネル)」と、様々なパネルデータを横断・連携した15,000項目におよぶデータからマーケティング課題に応じてターゲット・セグメントを設定する「生活者360°Viewer」に基づいている。
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