ソフトバンク、博報堂およびArmは、日本においてデータ活用による企業の変革を支援する合弁会社インキュデータを設立した。
インキュデータは、データ活用の戦略立案から、各種施策を実行するためのデータ活用や分析基盤の構築・運用、コンサルティングまで、データを活用して変革しようとする顧客企業をワンストップで支援し、顧客企業の競争力の強化に貢献することを目的として設立された。
支援にあたっては、十分に匿名化されたソフトバンク独自のデータと博報堂グループが保有する生活者のデータに加えて、Armのカスタマーデータプラットフォーム「Arm Treasure Data enterprise CDP」(以下、eCDP)および3社のデータ分析技術と活用ノウハウを掛け合わせることで、各企業に最適化された戦略立案から施策の実行までを実現するという。
近年、AI技術やIoTが急速に普及し、企業活動においてデータ活用の重要性が高まる一方、活用すべきデータのサイロ化や、データ活用の戦略を立案・実行できる人材の不足などが課題となっている。その結果、売り上げの向上などを目的としたデータ活用においては、サードパーティーデータを広告に活用するという事例が主流を占めていたと3社は分析している。
インキュデータは、データ活用に関する3社のノウハウを生かすことで、より効果的な戦略の立案と各種施策の実行を支援するとしている。具体的には、「Arm Treasure Data eCDP」を活用することで、顧客企業が独自に保有するファーストパーティーデータを集約し、パートナー企業のデータであるセカンドパーティーデータや、サードパーティーデータと組み合わせて分析した上で、「Arm Treasure Data eCDP」と連携する各種マーケティングツールなど外部システムを活用した施策を実行できる。
たとえば、顧客企業のマーケティング活動において、パーソナライズを軸とした施策により集客の効率化や優良顧客の増加、顧客の離反防止などの実現が期待できるという。また、データ分析により引き出された、生活者の潜在的なニーズや意識などのインサイトを営業や商品企画、製造や物流の過程などにも活用することが可能だと同社は主張している。
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