ITプロダクト開発企業のサイカは、広告調査・研究レポート「テレビCMを出稿する企業の広告宣伝担当者100人に聞いた テレビCMに対する価値評価 2019年版」を実施し、結果を発表した。
テレビCMへの投資を増やした企業が過半数に
前年と比較した2019年の広告予算全体に占めるテレビCMへの投資割合について「割合が増加した(57.0%)」との回答が過半数を占めた。「割合が減少した(8.4%)」との回答は1割に満たない結果になり、テレビCMに対する企業の投資意欲が増している状況がうかがえた。
2019年と比較した2020年のテレビCMへの投資割合見込みについては「割合が増加する見込み(46.7%)」との回答が最も多く4割以上を占めた。一方で「割合が減少する見込み(12.1%)」との回答は約1割に。今後増加する可能性を示唆する結果になった。
他の広告媒体に対するテレビCMの優位性は「消費者からの信頼」
他の広告媒体と比較してテレビCMが優れている点を調査したところ、「消費者から信頼されている媒体である点(70.1%)」との回答が最も多く約7割を占めた。次いで「消費者が感じるブランド価値が向上しやすい媒体である点(66.4%)」「消費者の印象に残りやすい媒体である点(48.6%)」が多くあげられる結果となった。
テレビCMに期待する効果は「製品の認知向上」と「製品の購買促進」が2トップに
テレビCMに期待する効果として「製品・サービスの認知向上(48.6%)」と「製品・サービスの購買促進(44.9%)」が大きく票を二分する結果となり、「製品・サービスのブランド価値向上(6.5%)」との回答は1割未満だった。
なお、同社が2019年5月に実施した動画広告に関する調査では、動画広告に期待する効果として「製品のブランド価値向上」との回答が最も多く4割以上を占め、「製品の購買促進」との回答が2割に満たない結果だった。同じ動画メディアであっても、インターネット上の動画広告とテレビCMでは広告として期待される効果に大きな乖離があることがうかがえる。
テレビCMへの投資増にともない「インターネット広告」への投資減の傾向
テレビCMへの投資割合を2019年で増やした、もしくは2020年で増やす見込みの広告宣伝担当者61名に対し、テレビCMへの投資増加にともなって投資を減少させた、もしくは減少させる見込みの広告を調査。
その結果「インターネット広告(85.2%)」が最も多い回答に。一方「セールスプロモーション広告(50.8%)」は最も少ない回答となった。
「広告戦略の全体設計」を課題とする担当者が6割超
続いて、テレビCMの出稿、および効果測定における課題を調査した。その結果、「テレビCMを含む広告戦略の全体設計(62.2%)」が最も多い回答に。次いで「テレビCMを出稿するエリアや局、線引き、番組の選択(58.9%)」と「クリエイティブ制作(58.9%)」が並んだ。
【調査概要】
調査主体:サイカ
調査名:テレビCMを出稿する企業の広告宣伝担当者100人に聞いた テレビCMに対する価値評価 2019年版
調査対象期間:2019年12月
調査方法:Webアンケート調査
調査対象:以下の条件を満たす107人の広告宣伝担当者
・テレビCMとインターネット広告を並行して出稿している企業の勤務者
・その企業にて、テレビCMの出稿業務、並びに出稿したテレビCMの効果測定業務に現在従事している者
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