これからのECは自由度が高くなる
では、今後はどうなるのか。河野氏は新しいECのありかたについて、オーストラリア発祥のブランド「コアラマットレス」を例に挙げて説明した。コアラマットレスのECサイトは、ECプラットフォーム「Shopify」を活用している。
そもそも一般的なECサイトは、カートシステムを使って構築されており、それをカスタマイズしたり、デザインのみを変えて運用することも多いという。ただしいままでは、ECシステムのベンダーにカスタマイズを依頼すればコストが上がる、デザインの自由度が低くなるなどの制約が存在した。
一方、Shopifyの仕組みは、河野氏いわく「表側と裏側がAPIで分離できる点が異なる」とのこと。具体的には「たとえば『カートに入れて決済する』という部分の機能だけを利用し、残りのフロント側やそのほかのシステムとのつなぎこみも、APIを利用して行うことができる」のだ。こうした仕組みは「ヘッドレス・コマース」と呼ばれ、デザインや開発側の制限を最小限に販売を行うことができるため、トレンドとしても注目されている。
「いままでは、カートシステムのデベロッパーやベンダーが、その部分に責任をもっていたので、デザイン側が出してきた要項のうちリスクがあるものは受けられなかった。ですがShopifyのような仕組みでは、フロントエンドとバックエンドが分離されていることで、デザインサイド、開発側双方の要望に応えることができる、という点が大きな違いです」
では、コアラマットレスのECサイトにはどんな特徴があるのだろう。
「コアラマットレスでは、顧客向けのウェブサイトのフロントエンドと、顧客向けのコンテンツマネジメント、すなわち割引などを提供する仕組みや決済、在庫、ロジスティックス、分析レポートなどで別々の外部サービスを利用しています。そのため特定のサービスに依存することなく、新しいサービスに一部分だけを乗り換える、といったこともできるのです」
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井上晃(イノウエアキラ)
ITライター・エディター。モバイル業界を中心に取材し、IoTやロボットなどを含め、多岐にわたるテーマの記事を雑誌やWebメディアで執筆。雑誌・ムックの編集にも携わる。
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