ネガティブな口コミもユーザーにとっては貴重な情報
ユーザーがスマートフォンを用いて行う行動のひとつに、他者とのコミュニケーションが挙げられる。ZETAが提供するレビュー・口コミ・Q&Aエンジン「ZETA VOICE」に備えられているQ&A機能は、商品購入を行ったユーザーのみが投稿する口コミとは異なり、購入を検討するユーザーが商品に関する質問を投稿できるようになっている。投稿された質問には、ユーザーのみならず実店舗スタッフや企業・ブランドの担当者も回答することができ、ユーザーは収集した情報を基に十分に検討した上で納得のいく買い物をすることが可能となる。
「情報収集に熱心なZ世代の消費者は、このようなコミュニケーションを非常に重視しています。こうした特性に向き合い、きちんと取り組みを行う企業とそうでない企業には大きな差がついてしまいます」(山﨑氏)
アメリカのウォルマートが始めた「Scan & Go」という取り組みがある。ユーザーが店頭で商品に付随した二次元コードを読み込むと、スマートフォンに商品の詳細情報や売り場の人気商品ランキングなどが表示されるというものだ。ここで提供する情報が多ければ多いほど納得感のある購買を促すことができ、その場で購入を決断しなかったユーザーには後日クーポンを発行し、背中を押すこともできる。単純接触効果を増やすことで実店舗の外もマーケットの対象になるという、逆O2Oのような仕組みとなっている。

山﨑氏は約3年前にパリで行われたイベントに参加した際、市内の視察ツアーで「Scan &Go」を体験した。アロマショップで商品別の二次元コードを読み取ることでアロマの成分やアレルギー情報を閲覧できたと言う。
同ショップではスキャン時に遷移するURLが固定され、誰に対しても同一ページが表示される仕様となっていたが、ZETAのOMO・DXソリューション「ZETA CLICK」は、二次元コードにランダムなURLを設定することで、読み込むユーザーに応じて表示するページを出し分けることができる。スキャンしたユーザーの情報を受け取った実店舗スタッフは、閲覧履歴を参照しながら最適な接客を行うことが可能となる。さらに、実店舗での接客がオンラインでの購買につながった場合も履歴を追跡し、評価をすることができるため、実店舗スタッフのモチベーション向上にも役立つ仕組みであると言える。
また、「ZETA CLICK」はスキャンすることで実店舗にいながらも、レジを介さずスマートフォンで決済と配送の手配まで完了できる点にも大きな特徴がある。これまではECサイトごとに会員登録を行い、決済情報や配送先の入力をする必要があったが、非接触型決済サービスを用いれば、それらの手間と情報漏洩リスクを排除することができる。会員登録必須であったECサイトの利用に「会員登録なしで購入する」という選択肢が加わることで、ユーザーの体験はより気持ちの良いものとなるはずだ。
「OMOにおいては、ユーザーの購買体験の質を上げることが非常に重要となります。いくら他社の販売価格や悪い口コミを知られたくないと思っても、ユーザーが店頭でスマートフォンに触れる行為は防ぎようがありません。購入に踏み切れないユーザーが情報を集めやすくなるよう協力し、誠意ある姿勢を心がけなければユーザーから見放されてデジタルシフトと若年層向けマーケティング、ふたつの文脈で遅れをとることになります。巣ごもり特需にあぐらをかき、デジタルシフトを先延ばしにしていてはコロナ禍収束後に梯子を外されかねません。コロナ禍にかかわらずデジタルシフトには取り組むべきです」(山﨑氏)
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渡辺 佳奈(編集部)(ワタナベ カナ)
1991年生まれ。慶應義塾大学環境情報学部を2013年に卒業後、翔泳社に新卒として入社。約5年間、Webメディアの広告営業に従事したのち退職。故郷である神戸に戻り、コーヒーショップで働く傍らライターとして活動。2021年に翔泳社へ再入社し、MarkeZine編集部に所属。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社
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