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若者の旅行離れ、「恋人の有無」が影響

可処分所得は「6万円以上」が2割以上

 20代前半(20~24歳)の消費意欲が減退していると言われている中で、若者の国内旅行の実態を探る今回の調査は、全国の20~24歳の独身有職者の男女1000人から得た800件の回答をもとに分析している。その年収を見ると「200万以上300万円未満」が全体の34.3%で最も多く、「300万以上400万未満」が続いている。

年収(全体/単一回答)

 また、自分のために使える1か月あたりの可処分所得では「6万円以上」が22.3%で最も多く、「2万円以上3万円未満」が18.5%で続いている。自動車を購入する人も減りつつあるなか、大きなローンさえなければ、何か月かお金を貯めれば国内旅行に行くくらいの予算は十分捻出できそうだ。

恋人の有無が旅行意欲を分ける

 最近1年間に宿泊を伴う国内旅行に行った人は全体の7割以上で、1年間の平均旅行回数は2.4回。旅行に出かける要因を分析した結果、「恋人の有無」と「可処分所得4万円以上・未満」の2つで大きな差があることがわかった。

 調査対象者のうち、「恋人がいる」と答えた人は全体の47.9%で、男性では44.8%、女性では51.0%となっている。このうち、男性は「恋人なし」よりも「恋人あり」の方が、旅行実施率・年間実施回数共に大きい傾向が見られた。「恋人あり」の人の実施率は84.4%で、回数は3.0回なのに対して、「恋人なし」の人は68.8%で、実施回数も1.6回にとどまっている。

最近1年間の旅行経験(全体/単一回答)

 女性は「恋人の有無」での差は男性に比べると小さい一方、可処分所得に注目すると、可処分所得が「4万円以上」の場合、女性の旅行実施率は87.7%、実施回数は2.9回なのに対して、「4万円未満」の場合は76.8%で、実施回数も2.3回と低くなる傾向にあった。

 また、最近1年間に実施した旅行の同行者(複数回答)の1位は「友人」で、「恋人」「家族」「ひとりで」と続いている。男性では、3割強が「ひとりで」「家族と」旅行を実施しており、「会社の同僚と」の旅行実施率を上回っている。また、女性の1位は「友人」で、以下「家族」「恋人」が続いている。また、旅行の目的としては「温泉」が最も人気が高く「恋人との絆を深める」を上回っている。

 こうしたデータからさまざまな背景が読み取れそうだが、一度も結婚しない人が増えつつあるなか、若者の「旅行離れ」には、恋人の有無という意外な要素も大きな影響を与えている。新規性のある魅力的な旅行商品の開発も重要だが、今後は変化する消費者のライフスタイルにもさらに注視する必要がありそうだ。

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MarkeZine(マーケジン)
2009/03/09 17:13 https://markezine.jp/article/detail/6793

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