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MarkeZine Day 2026 Autumn

300Bridge代表 藤原義昭氏と探る 小売×デジタルの次なる転換点

顧客から「持続的に選ばれる」ための要素とは?AI時代の生存戦略【ファミマ南雲氏×藤原氏対談・前編】

購買を加速させる「個人の推奨」、どうすれば生まれる?

南雲:ここまで「想起」と「衝動」が重要だと話してきたんですが、ここ5年ほどで「信頼する個人の推奨」の重要性も高まってきていると感じています。

 信頼する友人である藤原さんがおすすめするブランドなら間違いないというように、自分が信じる人の推奨が購買に大きな影響を及ぼします。一方で、知名度があるタレントのPRであっても、ブランドとの親和性や信頼性が伴わなければ購買にはつながらないなど、信頼する個人の推奨が今後重要になると思っているんですが、藤原さんはどう思いますか。

藤原:信頼できる個人による強い推奨は重要になると思います。そして、強い推奨を生み出すためには、フィジカルな体験価値の進化は絶対に欠かせません。先日、韓国の小売市場を視察してきたんですが、完全に「アテンションファースト」の国になっていました。

株式会社300Bridge 代表取締役 藤原義昭氏
株式会社300Bridge 代表取締役 藤原義昭氏

 たとえば、アイウェアブランド「ジェントルモンスター」の店舗は、ものすごく広い店内に数多くのアート作品を並べていて、商品は少ししか置いていないんです。

 それでも来店客が多いのは、SNSに投稿するために店舗内で写真を撮り拡散する人が多く、話題化するから。形成、商品自体はECを中心に売れていく。商品を買う・使う以外の体験で強い衝撃を与えることが、個人の強い推奨を促すカギになります。

南雲:まさに記憶に残る、強い衝撃を伴うフィジカルな体験ですね。デジタルだけでは絶対に代替できない価値です。

藤原:テクノロジーの先進企業はどうしてもすべてをデジタルで完結させようとしがちですが、人間である以上、それは無理だと思っています。人間が持つ五感を刺激すればするほど、記憶に深く刻まれ、強い想起や衝動を生み出します。

 そして、日本で見てもインバウンド客に京都や浅草が人気なのは、抹茶を飲んだり、人力車に乗ったりと必ず「その場所ならではの熱狂的な体験」があります。これからのリテールは、いかにしてこの熱狂的な場をつくるかが問われています。

「AI」の台頭にどう対応する?

南雲:想起に衝動、習慣化、そして個人の推奨。これらに次ぐ「第5の選択要因」として、日に日に影響力を増しているのが「AI」の存在です。

 「接待に使えるお店はないか?」「おすすめのブランドは?」など、自分の人生を豊かにするためのパートナーとして、誰もが真っ先にAIに聞く時代になりました。

 いかにAIに自社ブランドをレコメンドさせるか、AIの網に引っかかるようにするかが、これからのマーケティングにおける必須要素になると感じています。

藤原:サイバーエージェントの調査では、GoogleのAIによる概要(AI Overview)の情報のみで検索行動を終了する割合が10代は73.6%、20代66.8%、30代62.1%という結果が出ています。若年層を中心に、検索をしてもWebサイトに訪れないユーザーが増えており、南雲さんがおっしゃるようにAIに参照・提示してもらえるような工夫が今後求められます。

 このAIが参照し、提示してくる条件として最も重視されているのが、「その情報が良いものであると、第三者が推奨しているか」という点です。

南雲:なるほど。企業発信の公式情報ではなく、先ほどお話ししたような「信頼できる個人の推奨」やリアルな熱狂がデータとして蓄積されていないと、AIには選ばれないわけですね。

藤原:個人やメディアの影響力が、第三者の推奨データとしてAIに読み込まれる。だからこそ、エモーショナルな商品や体験をつくり、推奨の文脈にどう乗せていくかが極めて重要なんです。

南雲氏が語る、顧客から選ばれ続けるために必要な要素
※対談では語られなかったが、推し活ブームを捉えるのも重要になっているという

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「AIの奴隷になるな」求められる人間の進化

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この記事の著者

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2026/06/22 08:00 https://markezine.jp/article/detail/76975

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