お客様の“困りごと”を解決するカテゴリー強化策の全貌
━━商品数と在庫を拡充したのち、次のステップとしてどのような施策に注力されたのでしょうか。
長谷川:商品登録をひたすら続けることでユーザーは確実に増えます。しかし、2年も経つとメンバーも慣れてきて、より高度なことがチャレンジできる余力が生まれました。
そこで、ECサイトの商品や各種ページの掲載情報の品質を上げるために着手したのが「カテゴリーの見直しと強化」です。我々の商品は多岐にわたりますが、特定のシーズンや年間を通じてアプローチできる商品カテゴリーを厳選し、年間50本ほどの強化対象を決めました。
新しいお客様を発掘するためのランディングページを用意するなど、コンテンツを充実させたのです。
━━カテゴリー強化において、成功の基準などは設けていたのですか。
長谷川:最低でも「400%成長」を条件にしました。もちろん全部が成功するわけではありませんが、実際に除草剤のカテゴリーなどで400%の成長を達成しています。
田村:ホームセンターは「困りごとを解決できる場所」という想起をお客様に持っていただける強みがあります。カテゴリー強化においても、商品をただ並べるのではなく、お客様の『困りごと』を起点にコンテンツを充実させていく方法が、非常に効果的でした。
実店舗でお客様とリアルに接客する体験を、ECサイトでもコンテンツを通して表現できるよう努めています。
長谷川:意識すべきは、カスタマージャーニーの「どのファネルにエントリーポイントを設定するか」です。
除草剤であれば、「雑草」という悩みで広く集客するのか、商品の違いで訴求するのか。これはAIやチャットボットの導入も同様で、お客様との関係性やファネル上の位置を見極めずに導入しても、十分な効果は得られません。
EC限定の同梱チラシで月間6,000万円の売上を創出
━━購入したお客様へのリピート促進やCRMの部分では、どのような工夫をされていますか。
長谷川:最初の2年間は、新規購入を上げることに注力し、既存顧客へのアプローチはあえて何もしませんでした。リソースが限られていたため、まずは集客と販売の土台作りに注力したのです。
しかし、何もしないのももったいないと考え、2年ほど前から「EC限定の同梱チラシ」を入れ始めました。
━━チラシですか? 商品の発送箱に同梱するということでしょうか。
長谷川:そうです。商品を送る箱にチラシを入れてしまえば、配送コストはかかりません。カインズの定着しているロイヤルなお客様は、年間購入回数が平均4回ほどです。ホームセンターの商材は消費サイクルが長いため、翌月も買ってもらうのは本来とてもハードルが高いのです。
そこでチラシの中に「来月も買ってくれたら500ポイント」というオファーをつけました。デザインチームなどと連携して、チラシのクリエイティブを毎月のように話し合い、改善を繰り返しました。
━━その同梱チラシの効果はどのくらいあったのでしょうか。
長谷川:驚くかもしれませんが、現在このチラシ経由で月に6,000万円ほど売れています。今期からは、このチラシで成果を出したチームと一緒に、マーケティングオートメーションの導入・運用にも取り組んでいます。これにより、さらなる売上につながるCRMに挑戦中です。
