仮想ペルソナとの対話がもたらしたメリットは?
━━仮想ペルソナとの対話を通じて、どのようなインサイトが得られたのでしょうか。
越智:リアップのような発毛剤は、お客様にとってセンシティブな商材です。 そのため、実際のデプスインタビューやグループインタビューでは、本音を語っていただく上で、難しさがありました。
━━確かに、対面ではバイアスがかかったり、答えにくかったりする部分がありますね。
越智:しかし、Gemini上に構築した仮想ペルソナは、飾らない本音ベースで回答してくれます。
「薄毛に対して自分はどう思っているのか」といった深い悩みや心情を、非常に細かく言語化してくれました。ワークショップでは仮想ペルソナとの対話から、生々しいインサイトが明らかになりました。
栄角:今回のワークショップには、社内の様々な部門や代理店のクリエイターなど、約20名が参加しました。参加者全員が同じ場で仮想ペルソナとの対話に参加したことで、ターゲットの悩みに対する共通認識を瞬時に持てたのは大きな成果です。
━━インタラクティブな対話が、チームの目線合わせにも機能したのですね。
栄角:ええ。仮想ペルソナの言葉を聞いて、「みんな同じように悩んでいるんだ」「だからこそ背中を押すメッセージが響くはずだ」という気づきがありました。
このようなリアルな感情の動きをベースにできたからこそ、その後のクリエイティブ制作もスムーズに進行できたと感じています。
人間とAIの共創による高速クリエイティブ検証
━━抽出したインサイトは、どのようにクリエイティブへと落とし込まれたのでしょうか。
栄角:ペルソナとの壁打ちを経て、まずはキャンペーンのアイデアやコンセプトを、一気に80案ほど出してもらいました。
我々の想像を超えるスピードと幅で、ものの30分程度で大量のアイデアが出てきます。
━━人間の手では、短時間でそこまでの発散は難しいですね。
栄角:そうですね。その後は、Geminiをシビアな採点官として活用しました。
定性的に「どれが良さそうか」をコメントしてもらうだけでなく、共感度や行動喚起力などの評価軸を定め、5点満点で定量的なスコアリングも実施したのです。
━━客観的な指標で、クリエイティブの確からしさを検証したのですね。
栄角:はい。スコアが低いものは削りつつ、残った案に対しては、我々人間の意思やブランドの知見を入れて5案ほどに絞り込みました。そして、効果的だと思われるエッセンスを抽出し、実際の絵コンテや広告クリエイティブへと落とし込んでいったのです。
━━最終的なアウトプットの制作プロセスにも変化はありましたか。
栄角:従来のようにオリエンテーションをして提案を待つのではなく、広告代理店のクリエイターもワークショップに参加し、一緒にプロンプトを打ちながら進めました。
目指すべき方向性をその場で全員が共有できているため、迷いなく自信を持って制作に進むことができ、強固なチームビルディングにもつながりました。
