バズを逃さず、体験と合わせて売る。「しゃけまる」グッズの裏側
━━「しゃけまる」のようなIPも存在しますが、こうしたキャラクターをグッズに活かす際、どのような工夫をされていますか。
曽山:グッズを単体販売するのではなく、イベントや試合と掛け合わせて販売しているのが特徴です。たとえば、しゃけまるのグッズも、ただ店頭に置くのではなく、試合に勝った時だけしか販売しないグッズ「VICTORYしゃけまるグッズ」や、しゃけまるを投げ入れて景品獲得を目指す「カーニバルゲーム」形式のものなども人気です。
また、自身でクマのぬいぐるみに綿詰めから行い、命を吹き込んで「ぬいぐるみ」としてお渡しする「Happy! moco-moco FACTORY™」など、体験やエンタメ性があってこそ、購入につながると考えています。
━━SNSのトレンドなどを捉えた商品化では、在庫リスクが伴うと思いますが、ECの仕組みをどう活用してコントロールしていますか。
五十嵐:事前にECで受注(予約)を取ることはもちろんですが、店舗で欠品が発生した際には、その場でQRコードからECサイトで購入できる導線を整えています。また、店舗もしくはEC、どちらかで在庫が逼迫した際には、店舗とEC間で迅速に在庫を移動させる仕組みも構築しています。
━━最近の思わぬヒット商品はありましたか。
五十嵐:「ぬいぐるみくじ」ですね。まわっているくじを引いて、一等だと大きなぬいぐるみが当たります。北海道にゆかりのある動物などがユニフォームを着ているオリジナルデザインで、これがSNSで大きな話題になりました。
曽山:お客様にとっては、「球場に来て楽しいか、また来たいと思えるか」が大切だと考えています。もちろん利益も大切ですが、それだけを追うのではなく、購入体験を楽しんでいただくことで、また来場したい、また購入したいと思ってもらえると思っています。
少し手間暇がかかっても、体験型のゲームやくじを用意することで、記憶に残る購買体験を提供できればと思っています。
ブランドを毀損しないコラボ選定とECの世界観
━━異業種やIPとコラボする際、ファイターズのブランド価値を高めるための選定基準を教えてください。
曽山:キャラクターがただファイターズのロゴをつけているだけでは、興味を持ってもらえないと感じています。北海道やエスコンフィールドとコラボすることへのストーリーがあるか、エスコンフィールドのエンタメとどのような掛け算を行い、球場で何か面白いことが起きるか。何かしらの仕掛けやストーリーを持たせられるかどうかを重視しています。
━━自社ECサイトで、そうしたブランドの世界観を崩さないための見せ方のこだわりはありますか。
曽山:最近では特設のLPを作成し、写真の数を大幅に増やしてディテールを伝えるようにしています。
五十嵐:店舗でも、来場者の属性に合わせて世界観を変えています。「フラッグシップストア」は全商品を網羅していますが、公共交通機関の入り口に近い「アネックスストア」は、初めてご来場の方が手に取りやすいグッズを集約しています。
また、観光客が増える夏などは、売り場のコンテンツや商品展開を柔軟に変更するなど、季節に応じて施策を講じています。そして、今年リニューアルしたカスタムエリア「FIGHTERS LAB」では、自分でオリジナル商品を作ることができる体験も提供しています。今後はさらに体験型のスペースを拡張していきたいと考えています。
