日本はAPACにおける重要市場の1つ、どう攻略する?
グローバル展開を加速させるオーセンティックにとって、日本はAPAC地域における最重要市場の一つである。現在の日本における小売売上高は約8億ドルに達し、POS(販売拠点)は8,500ヵ所以上。27のブランドポートフォリオが、13の優れたパートナー企業を通じて展開されている。
Chu氏は日本市場を重視する理由について、「日本はアジアの枠を超え、世界のトレンドを牽引するトレンドセッターである」と高く評価する。さらに、日本の消費者が伝統や品質、本物らしさを深く理解し、力強いブランドストーリーを好む傾向がある点も、同社のヘリテージブランド群と極めて親和性が高いという。
日本市場における同社の持続的な成長を支えているのが、独自の「アセットライトかつロイヤリティベースのビジネスモデル」だ。グローバルなIPの保有やブランド戦略、ストーリーテリングはオーセンティックが担い、製品開発、製造、流通、そして顧客体験の最適化は、日本市場を熟知したローカルパートナーに委ねている。
「グローバルな考えでやりながら、ローカルで実行していくことがグローバルでの可能性を引き出す」とChu氏が語るように、現地の文化や消費者の嗜好に合わせた柔軟なローカライズが、ブランドのポテンシャルを最大化しているのだ。
権限移譲とガバナンス──ブランドのDNAを守り抜く体制
しかし、ローカルパートナーへの権限移譲は、決して「丸投げ」を意味しない。オーセンティックは、グローバル基準のブランド価値を維持するための厳格なコントロール体制を敷いている。
質疑応答の場で、パートナーとの関わり方について問われたChu氏は、「我々は自ら製造を行うわけではないが、製品開発、マーケティング、コンテンツ、ソーシャルメディアなどの承認プロセスには全て関与し、ブランド基準に合致しているかを見ている」と明言した。ローカルの実行力を活かしつつ、ブランドの根幹は絶対に守り抜く姿勢が伺える。
EC事業の現場においても、モールへの出店や代理店を通じた販売、あるいは他社とのアライアンスにおいて、ブランドコントロールとローカライズのバランスは常に直面するジレンマである。
現地の裁量やプラットフォームの特性を最大限に活かしつつも、ブランドのDNAやクオリティの基準は決して妥協しない。この緻密なガバナンスと信頼に基づくパートナーシップのあり方は、オーセンティックの特徴の一つとなっている。
