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ネットマーケを斬る!4大サイト編集長の辛口コラム

脱!“ネット”マーケティング


 このコラムは、ネットマーケティング専門メディアの各編集長が毎回共通のテーマでネットマーケティングを語るコーナーです。 他誌編集長のコラムも併せてご覧ください。 ・「今を生きるTwitterユーザー」から目が離せなくなった(日経ネットマーケティング) ・ネットマーケティングの主役はユーザー+データ+ストーリーに (Web担当者Forum) ・私が日立の洗濯機をヨドバシカメラで買った理由(ASCII.jp Web Professional)

 「脱!”ネット”マーケティング」という思い切ったタイトルをつけてみましたが、「ネットマーケティングは辞めた方が良い」といった意味ではありません。“ネット”マーケティングという分野に絞った考え方ではなく、マーケティング本来の考え方に立ち戻った視点でもう一度見つめ直してみようというお話です。

そもそも、マーケティングって何だっけ?

 さて、オンラインでも成功している非ネット専業企業に取材に行くと、必ず「組織の作り直しに苦心した・苦労している」といったお話が出てきます。これは仕方のないことで、そもそもインターネットという市場自体、大部分の非ネット専業企業の方々にとっては、単に「販路とプロモーションの場が増えた」という認識でしかなかったからだと思います。

 読者の皆さまに対して釈迦に説法ではありますが、単純化してとらえるために、「そもそもマーケティングって何だっけ?」ということを簡単におさらいしてみます。

 Wikipediaによると「マーケティング」とは、

企業や非営利組織が行うあらゆる活動のうち、「顧客が真に求める商品やサービスを作り、その情報を届け、顧客がその商品を効果的に得られるようにする活動」の全てを表す概念である。

 となっています。

 これだとなんだかフワッとした印象を受けるので、もう少し具体的にどういう領域の仕事なのかということを、おなじみの4P理論のフレームワークで見直してみましょう。

マーケティングの4P
マーケティングの4P

 非ネット専業企業にとって、今までのネットマーケティングとは、主にピンク色で囲った「流通」と「プロモーション」の部分で語られるものだったように思います。「店舗の代替えとしてのWebサイト」「TVCMや雑誌広告、ダイレクトメールの代替えとしてのネット広告」といった感じです。

 そのため、ネットマーケティングというと「お客さんにどうやってお店に来てもらうか」「どうやって買い物がしやすいお店を作るか」といった話題と同義語のように扱われてきました。

 しかし、ここ数年のソーシャルメディアの隆盛により、「商品やサービスに対してどのように思っているのか・考えているのか」といった顧客の声が、急速にインターネット上で増加しました。同時に、技術の進化によって、その声を拾い上げるための土壌が徐々に整い始めてきました。

 こうしたオンライン上で得られる情報は、商品・サービスの勧め方はもちろん、どのような商品を作るべきか、どの位の値段をつけるべきか、といった分野にも影響を与えるデータです。非ネット専業企業にとっても、インターネットは4Pで定義されるマーケティング領域全般に関わる問題になってきたわけです。

マーケティング本来の姿に立ち返る

 さて、つらつらと4Pだけでここ数年の流れを無理やり論じるという無茶なことをしてみました。冒頭にも述べた通り、ようするに、もう一度自社のビジネスにおいて、自分や自分のチームはどういう役割を担っているのかをマクロな視点で捉え直してみるのはいかがでしょうか、という提案です。

 ネットマーケティングは、開発知識を含め様々な専門性が求められ、新しい手法や技術の登場により変化を遂げる特異なジャンルです。そのため、集中して追いかけ続けていると、全社的に見た自分達の役割や施策の目的といったことを、見失いがちになってしまいます。

 しかし、ネットマーケティングは、ただ単にインターネットというチャネルから収益を得る・認知してもらう、という話ではなくなってしまいました。また、数値によって成果が明確に表れるという点は、全社的に展開できれば大きなメリットを生みます。他部署と連動して動く、協力を仰ぐといった場面は、業務のうえでますます多くなっていくと思います。自分自身を見つめ直し、他の人に説明するという意味でも、“ネット”という枠に縛られた考え方を脱し、オンラインとオフラインを包括的に捉えるマーケティングの視点が重要であり、今後必須となる技能と言えるのではないでしょうか。

 最後にこうした視点を養うヒントになりそうな記事を紹介して、終わりたいと思います。

 2008年7月から続けてきた、この各誌編集長連動コラムですが、今回が最終回となります。

 また、別の形でこういった企画ができればと思っていますが、しばらくは各誌のサイトでそれぞれのコンテンツをご覧くださいませ。

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この記事の著者

まっつん(マッツン)

MarkeZine編集部員

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2010/03/31 04:52 https://markezine.jp/article/detail/9996

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