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MarkeZine編集部が行く!ネットショップオーナー探訪

ド根性主婦しのっちが超人気ネットショップを生むために使った7つの秘策(後編)

1万店以上ある楽天ショップの中で「グルメ部門年間売れ筋ランキング2位」を受賞した超人気ネットショップ「シリアルマミー」。店長の“しのっち”こと篠直余は、パソコン音痴で、ネットショップ開店当初は全く売れず赤字が続いたという。そんな売上不振店を超人気ネットショップへ変貌させるために、しのっちが使った「7つの秘策」をMarkeZine編集部が聞いてきました。(前編はこちら)

インタビュー相手
篠直余
人気ネットショップ「シリアルマミー」店長。1997年に夫の経営するフランス料理店「カフェ・エ・ビストロ・シリアルマミー」でデザートを作り始める。フレンチトーストから発想した“パンペルデュ”など新感覚のスイーツが話題になり、その後1999年にはプランタン銀座に出店。2001年に楽天市場でネットショップデビューをはたすが、当初は大苦戦。その後工夫を繰り返し、2003年に楽天ショップの「ショップ・オブ・ザ・イヤー」のグルメ部門・年間売れ筋ランキング2位に輝いた。さらに翌年2004年には「ショップ・オブ・ザ・イヤー」のスイーツ・菓子・デザートジャンル賞受賞。カリスマネットショップとしての地位を不動のものとした。

後編の秘策は…

 前編では赤字からスタートしたネットショップ、シリアルマミーを生まれ変わらせるために私が用いた7つの秘策のうち、4つをご紹介しました。後編では残りの3つについて説明していきます。

秘策その5 逆転の発想! クレーマーの8割をリピーターに

 ネットショップのオーナーさんならわかってくれると思いますが、ネットショップで悩ましいのがクレームです。「違う商品が届いた」「商品が届くのが遅い」「メールの対応が悪い」。ネットショップにはさまざまなクレームが発生します。対面販売なら比較的フォローが簡単ですが、パソコン画面を通してお客様とやり取りするのはなかなか大変です。

 私はクレームが大嫌いでした。というより怖かったのです。お客様からメールを開く時に、件名がクレームっぽい感じだとメールを開けるのが怖くて、怖くて…。けれどもいろいろ試行錯誤しながら対応しているうちにクレームの対応にも慣れてきました。例えばシリアルマミーでは、クレーム処理はクレームが発覚し、お客様に連絡をとってから1時間以内で行います。「まだ商品が届いていないんだけど!」というクレームをいただいた場合は、まずお詫びの返信メールを送ります。電話番号がわかっていれば電話します。電話に出ていただけなければ留守電にメッセージを入れます。電話をしたという事実を残すことがポイントです。

 そしてここから1時間以内に対処します。まずすぐに運送業者に連絡して状況を聞きます。それからお客様へ状況を報告するのです。もし運送業者と連絡がとれなくても「ただいま、運送業者に状況を問い合わせています」というメールなり、電話を1時間以内にします。このようにスピーディーかつ誠実に対応しているとクレームを寄せたお客さんの怒りも収まるようです。スピーディーというところがキーです。いくら「誠実に」と思っていても、対応が遅いとお客さんの不信感は募ります。

 こうしてクレームにきちんと対応すると、お客様に評価していただき、クレーマーからリピーターに変わっていただけます。感覚としてはシリアルマミーにクレームをいただいた場合、8割ほどの方がリピーターとしてまた訪問してくれています。実はクレームを受けた時にお客様の気持ちを鎮め、リピーターになっていただくための、「殺し文句」があるのですが、これだけは企業秘密とさせてください。

秘策その6 運送業者を見方にする

 さてこのようにしてクレーマーをリピーターへ変えていったシリアルマミーですが、クレームの中でどうしようもないものがありました。それが「解凍クレーム」です。例えば前編の最後でお見せした写真は「デセールキャラメル」という商品ですが、これは冷凍運送でお客様の元までお届けします。運送業者の冷蔵車で輸送するのですが、途中で溶けてしまうと必ずお客様からクレームをいただいていしまいます。

 これには困りました。なぜなら商品が解凍してしまうのはお店の責任ではなく、配送業者の責任だからです。改善のしようがないのです。しかしお客様にしてみれば、「その業者を選んだあんたが悪い」ということになります。配送業者がきちんと商品を扱っていれば、こうしたことは起こらないのですが、彼らが輸送する商品はたくさんあるので、注意してもらえない商品も出てくるのです。商品を包装する箱には「要冷凍」というシールをバンバン貼っていたのですが…。

 けれども「どうしようもない」って言ってしまうと状況は永遠に変わりません。私は何か良い方法はないかと考えました。そして今では他のネットショップさんにも真似されるようなアイデアを思いついたのです。

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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2007/05/18 08:00 https://markezine.jp/article/detail/1151

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