社団法人 電気通信事業者協会は、8月末時点での携帯電話の事業者別契約数を9月7日に発表した。
発表された資料によると、8月の事業者別契約数の純増数では、NTTドコモが22,900件マイナス、KDDIのauのみでは203,000件の増、KDDIのツーカーのみでは44,500件マイナス、2つ合わせたKDDIの合計では158,500件の増。そして注目のソフトバンクモバイルは、188,900件増と、5月から連続で純増数のトップに立った。ただし、これはKDDIの合計純増数と比較した場合で、KDDI auのみと比較すると、auのみの純増数がトップ。また、NTTドコモは、番号ポータビリティ制度導入直後に続いて、2度目のマイナス成長となった。
下のグラフは、契約数の純増の変化とともに、最近激しさを増している各社の料金割引サービスの発表状況を示したもの。特にソフトバンクモバイルは、他社が割引を発表した場合、24時間以内にそれより低い料金設定を発表して対抗することを明らかにし、実際に次々と割引サービスを発表している。
一方、事業者ごとの累計の契約数を見ると、NTTドコモの圧倒的優位は変わらない。各事業者の契約数は、ほぼ平行しながら、なだらかな右肩上がりを示しているが、ここに来てわずかながらも、事業者間の差は縮まりつつある。
割引競争が激化しているだけに、単純に契約数だけでは各事業者の収益状況を推し量ることはできないが、「ドコモ2.0」キャンペーンを打ちながら、マイナス成長となったNTTドコモの危機感はさらに高まったのではないだろうか。