今回の調査では、「百度(Baidu)」は、日本語版のbaidu.jpと中国語版のbaidu.comを、「優酷網(Youku)」は中国語版のyouku.comを集計対象としている。ネットレイティングスが発表した資料によると、「百度(Baidu)」全体に対する、日本の家庭のPCからの2月の利用者数は71.3万人。日本語版スタートのニュースにわいた1月の96.1万人より減少しているものの、訪問回数の多い本来の検索ユーザーは着実に増加しているという。
また中国の動画共有サイト「優酷網」も2007年末から急速に利用者を増やし、2月の利用者は65.3万人。この勢いはYouTubeやニコニコ動画の知名度が上がり人気化したころの状況に似ているという。
「百度」は、中国最大手の検索サイトで、Web検索だけではなく画像、映像、音楽ファイル検索が充実しており、既存の検索サイトに比べると画像と動画の利用比率が高いのが特徴。実際、同サイトの画像検索利用者は29.2万人で全訪問者の41%、動画検索も全体の21%にあたる15万人が利用している。また、日本語版では提供されていないMP3検索も中国語版(baidu.com)から1割弱が利用している。
利用者特性をみると、「百度」は利用者の77%が男性となっており、男性1人あたりの平均利用ページビュー数が女性より圧倒的に多いため、総ページビューベースでは実に97%が男性による利用で占められている。一方「優酷網」には、日本のアニメやドラマが数多くアップロードされており、29歳以下の若年層が全体の6割近くを占める要因のひとつとなっている。
同社代表取締役社長兼ニールセン・オンラインチーフアナリストの萩原雅之氏は「百度は画像、動画検索が注目されているが、知名度が上がりWeb検索の利用増加によって、寡占状態にある日本の検索市場においても存在感を増す可能性がある。百度の動画検索結果には、優酷網の動画ファイルも数多く表示されるため、こちらも知名度が高まることが予想されるが、著作権上問題のあるコンテンツが既存の動画共有サイトよりも多くアップされているため、コンテンツホルダーも対策を迫られそうだ」と述べている。
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