Webページ上部のバナーは本当に効果があるのか?
いくつかの視線追跡調査によって、消費者はZ字型またはF字型にWebサイトを閲覧することがわかっている。つまり、Webページの上部は注目されやすいが、それ以外は視界の片隅にこそ入っても注目されにくいと言える。したがって、インターネット広告はWebページの上部に掲載されるものほど効果が期待できると言えそうだが、Webページや広告の作りによっては、必ずしもそうとは言い切れない。大切なのは、広告とコンテンツの距離だ。
ヒートマップから見る「効果的な掲載位置」
グーグルはアドセンスの広告を掲載しているパブリッシャーを支援するために、ヒートマップと呼ばれる図を公開している。広告の掲載位置とパフォーマンスを色で示したものだ(図1)。
濃色の領域ほど注目されやすくパフォーマンスを期待できる。それを見ても、Webページ上部の広告が必ずしも効果的とはいえないことがわかる。Webページの上部でも、ナビゲーションや見出しをより上部に位置するなど、記事との距離が離れてしまうと注目されにくくなる。
ヤフーやMSNでニュースを習慣的に閲覧している人は、それらのページの上部から5センチ以内には広告しか情報がないことを学習しているはずだ。そうなると、その領域はさらに無視されやすくなる。フルバナー(左右468ピクセル×天地60ピクセル)やリーダーボード(728×90)と呼ばれる横長のバナー広告は、その領域に掲載されることが多く、また典型的なバナー広告の形として学習されているので、効果が期待しにくくなっている。