インプレスR&Dのシンクタンク部門であるインターネットメディア総合研究所は、『動画配信ビジネス調査報告書2013』の販売を開始した。
DVDやブルーレイなど映像パッケージ作品の売り上げが低迷する中、PCのみならず、テレビ、スマートフォン/携帯電話、タブレット、ゲーム機など、さまざまなデバイスで映像を視聴できる動画配信ビジネスの市場が活発化しつつある。
放送局各社の自社番組配信サイトやVODサービスが業績を伸ばし黒字化する一方で、米国で成功をおさめたHulu(フールー)をはじめとする「定額制・見放題」のサービスもトレンドとなりつつある。また、インターネットと接続して動画配信をはじめとするさまざまなサービスを利用できる「スマートTV」も注目され、サムスン電子やソニーを始めとするグローバルメーカーが対応製品を投入している。
当報告書によると、有料の動画配信サービス利用率は5.8%となり、有料での動画配信サービスの利用は限定的であるようだ。「無料の動画のみを利用したことがある」が65.9%と大半を占めていることから、多くのインターネットユーザーにとっては有料より無料という状況となっている。
性年代別に見た場合、有料利用率が最も高いのは男性30代で11.9%、男性50代が9.1%、男性20代が8.9%と続いた。男性20代から50代にかけて高い傾向にあり、女性では40代の5.7%が最高であった。
有料動画配信サービスの視聴環境は「パソコン」が67.9%でトップであり、「スマートフォン」(27.1%)、「インターネットにつないだテレビ」(17.3%)と続いた。また、「1種類」の視聴環境のユーザーが65.9%と高い比率に。ただ、残りの34.1%のユーザーは複数環境(マルチデバイス)で視聴していることが明らかになった。
有料動画配信サービスの利用金額を見ると、定額制のサービスを利用しているユーザーは72.3%、都度課金を利用しているユーザーは52.8%となっており、定額制利用者の比率の方が高かった。Huluをはじめ、概ね月額1000円のサービスが多いこともあり、定額課金で最も比率が高いのは、「900円~1500円未満」の価格帯に。
【調査概要:利用率と非利用者の意向調査】
調査対象:インターネット利用者
調査方法:インターネット調査
対象地域:全国
有効回答数:1,082
調査期間:2013年1月18~21日
【調査概要:利用者の利用状況調査】
調査対象:有料動画配信サービス利用者
調査方法:インターネット調査
対象地域:全国
有効回答数:973
調査期間:2013年1月21~30日
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