ニールセンは、テレビとストリーミングに関するグローバル調査の結果を発表した。
視聴傾向はコードカッティングから補完視聴に
ニールセンの調査によれば、調査における世界の回答者の約3分の2(65%)が、何らかの形で長編・短編を含むオンデマンド番組を視聴していると答えている。
回答者の4分の1強(26%)が「Hulu」「Netflix」または「Amazon」といったオンラインサービス・プロバイダーとの契約を通じて放送やオンデマンド配信を有料で視聴していると答えている。これに対し72%の回答者が、従来のテレビ接続を通して有料の動画を視聴していると答えている。
北米とアジア太平洋地域でこの割合は高く、北米で35%、アジア太平洋で32%が、番組コンテンツに対してオンラインサービス・プロバイダーに料金を支払っていると回答している。一方、ヨーロッパでの利用は世界平均を大きく下回っており(回答率11%)、ラテンアメリカと中東/アフリカでは5分の1強(各21%)がオンラインサービス・プロバイダーと契約している。
将来はストリーミングだけになる?
調査の回答者の68%が、既存の従来サービスを解約してオンライン専門サービスに切り替える予定はないと答えており、解約するつもりだと回答したのはおよそ3分の1(32%)だった。
解約すると回答した人はアジア太平洋で最も高く、44%がケーブルテレビまたは衛星放送を解約してオンライン専門サービスに切り替える予定だと回答している。ラテンアメリカ(24%)、北米(22%)、ヨーロッパ(17%)では、解約する予定だと答えた回答者は4分の1を下回っている。
しかし、アメリカにおける最近のニールセンの調査によれば、多チャンネルのケーブルテレビや衛星放送をやめる意思表示をした人のうち、実際に行動に移した人の割合は非常に低いことが分かっている。
同社のプロダクト・リーダーシップ・プレジデントであるメーガン・クラーケン氏は「オンライン専門動画サービスの人気上昇は、今後もネットワークやケーブルテレビ、衛星放送プロバイダーにプレッシャーを与え続けるでしょう。しかし、前者が後者に本質的に置き換わってしまうということは起きそうにありません。ほとんどの視聴者にとって、オンラインのサービスと従来のサービスは互いに排除し合うものではなく、互いを補い合うものなのです。」と見解を示す。
また、レポートではオンライン専門サービスや動画番組の配信会社は、共通の困難に直面していると指摘。コンテンツ・プロバイダーはこれからも、機敏に、柔軟に、次に訪れる難題を見越して前に進む必要があるとしている。
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