電通は、"人"基点のテレビ広告プランニング「People Driven TV Planning」におけるタイム広告分野をさらに強化する、「People Driven Score(意識データver.)」「People Driven Score(購買データver.)」および、統合リーチ視点で最適な番組の組み合わせを提案する「番組フォーメーションチェッカー」を開発した。
三つのツールにより、同社はテレビ広告枠購入の決め手となる根拠を可視化し、よりマーケティング戦略に沿ったプランニングの提案が可能となった。
各ツールの概要は次の通り。
People Driven Score(意識データver.)
ビデオリサーチ社のPM視聴率と、さまざまなTV視聴意識データ(番組に対する意識)を掛け合わせ、費用対効果を番組単位で分析・可視化できる。
<活用例>
男女20-34歳(MF1)の視聴率をベースとして、車購入に関心があり、かつ動画配信サービスをよく利用している人をマーケティングターゲットと設定し、そのターゲットが見ている番組ランキングをコスト効率が良い順番で提示。
People Driven Score(購買データver.)
ビデオリサーチ社のPM視聴率と、電通グループ独自のデータ基盤People Driven DMP内の購買データを連携させ、広告主のマーケティングターゲットを可視化。購買に寄与する番組という視点で費用対効果を番組単位で分析・可視化することができる。
<活用例>
ビール購入割合と視聴率の掛け合わせを基準に、費用対効果も加味した番組をランキングにして可視化。
番組フォーメーションチェッカー
ビデオリサーチ社のPM視聴率をもとに、番組の組み合わせによって獲得できるターゲット統合リーチをシミュレーションする。視聴重複を加味した統合リーチを算出し、費用対効果の高い番組をプランニングできる。
<活用例>
タイム改編時、すでに提供している番組に3番組ほど追加したいが、どの番組を追加すると全体のリーチが最も伸びるだろうか、といったシーンでの判断材料に。
これらのツールを組み合わせて活用することも可能。
例えば、「People Driven Score(意識データver.)」で性年代別の視聴率をベースに、車購入に関心がある層を掛け合わせてターゲットの含有率が高い番組を洗い出し、それぞれの番組の費用対効果をランキング化。それらの番組を「番組フォーメーションチェッカー」でターゲットへの到達率から再度比較し、購入番組を決定することができる。
なお、2021年4月のテレビ番組改編時に一部先行導入されている。
現在テレビの視聴データは、性年代カテゴリーだけでなく、視聴者に関する趣味、嗜好、特性などの詳細プロフィールを匿名取得・詳細な分析が可能となった。一方で、テレビタイム広告の取引は性年代による視聴率をもとにしたCM効率で番組を評価して考えるのが一般的だ。
そのため、精緻なターゲット像を描いても、実際にタイム広告枠の購入につなげることは難しいという課題がある。
この背景から電通は今回のツール開発に至った。これにより広告主がテレビ広告へ求める基準にあった、番組評価を行うことが可能となる。また、それぞれコストパフォーマンスを加味したランキング形式でのプランニングが可能なため、プランニングにおける分析・評価・提案の高速化も期待できる。
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