アウンコンサルティングは、コムスコア社が提供する台湾のネット視聴率データの2011年2月度集計データをもとに分析を行った。
ユニクロが台湾台北市に第一号店をオープンした2010年10月に、台湾のアパレル関連サイトのユニークユーザー数は大きな伸びを見せた。しかし、第一号店が出店すると、ユニークユーザー数は減少傾向に。このことから、2010年10月、11月のアパレル業界全体のユーザー数の増加は、ユニクロサイト来訪ユーザー数に起因するものではないと考えられる。
この変化を読み解くため、以下のグラフを見てみよう。台湾の主要アパレルサイト、LATIV.COM.TW、NISSEN.COM、SHOPPING7.COM.TW、UNIQLO、VANCL.COMのデータをまとめたものだ。
10月以降大きなユーザー数の増加を見せたのが、台湾版ユニクロと称されるドメスティックブランド「Lativ」のサイト「LATIV.COM.TW」。Lativサイトのユーザー数は、2010年9月から11月の間で2倍以上増加している。
ユニクロとLativとの重複ユーザー比率を見てみると、この期間のユニクロのサイト来訪ユーザーのうち、Lativにも来訪したユーザーの割合が増加傾向にある。ユニクロサイト来訪ユーザー数に占めるLativ来訪ユーザー数の比率を見ると、最も比率が大きくなった11月時点では、約40%に達している。
このことから、ユニクロの進出によって活性化した台湾のアパレルサイトのうち、その恩恵を最も受けたのはユニクロではなくLativであると考えることができる。しかし、ユニクロは2011年3月に台湾向けのオンラインショッピングコンテンツを開設。昨年からはニッセンの海外通販サイトもユーザー数を伸ばしており、2011年2月時点では各社の数値は拮抗している。
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