アドビシステムズの調査によると、2012年第1四半期におけるモバイルプラットフォームへの支出は、米国ではすべての検索連動型広告関連の支出の8%、英国では11%に達しており、タブレット端末のみでも4%を占めている。モバイル機器やタブレット端末は低コストのチャネルであり、最終的にはGoogleによるCost Per Click(CPC)が前年同期比5%減少した要因となった。これに対し、Bing/YahooのCPCは前年同期比18%増加している。
モバイル機器、とくにタブレット端末からのトラフィックは前年同期比で4倍に拡大。これらの端末への検索連動型広告関連の支出は前年同期比250%増となっている。Facebookへの支出は前年同期比93%増加して検索連動型広告関連の支出のうち3~5%を占めている。
2012年の今後の見通しについては、米国での検索連動型広告関連の支出は、1年を通じて10~15%成長、タブレット端末とモバイル機器への支出は2012年末までに検索連動型広告関連の支出のうち15~20%を占めるようになると予想している。モバイル機器のCPCはデスクトップ機を30%下回るものの、コンバージョン率は同水準という結果になっている。
Facebookの広告CPCは過去3四半期にわたって前四半期比40%で拡大したが、Facebookの「Sponsored Stories」のCPCは、Facebookの「Marketplace Ads」よりも低い傾向があり、これがCPCの一時的な低下の原因となった可能性があるとしている。
アドビシステムズは、「ソーシャルメディアが拡大し、重要なチャネルであるという認識が広がったが、デジタルマーケティングのROIに最大の影響を及ぼしているのは検索連動型広告。短期的には、マーケティング全体を効率化する、検索連動型広告に関する新たな投資機会が生み出されている」と分析している。
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