米国のアドテクノロジーおよびデータ・マネジメント会社であるMaxifier(マキシファイア)は、7月16日に「Maxifier Tokyo Summit 2014」を開催した。同社が東京でイベントを開催するのは今回で3回目。200名弱の参加者が集った。
Maxifierは2012年4月に日本支社を設立し、現在はサイバー・コミュニケーションズを中心に、電通グループと連携した共同事業を展開している。
ディスプレイ広告市場において、プレミアムアド、アドネットワーク、アドエクスチェンジ、SSPなど、オンライン・メディアの収益源は多様化している。Maxifierは、オンラインメディアやアドネットワークの広告キャンペーン改善や広告在庫の最適化を行うことで、パブリッシャー側の収益最大化を実現するツール「ADMAX」を提供している。
コンデナスト社が提示するプログラマティックを推進する3ステップ
基調講演には、コンデナスト社 デジタル・オペレーション/マネタイゼーション部 ヴァイスプレジデントのクリストファー・グンサー氏が登壇。「コンデナスト社はいかにして、デジタル・イノベーションと広告による収益とエンゲージメントの加速を実現しているのか」と題した講演が行われた。コンデナスト社のプログラマティックへの取り組みをはじめ、ネイティブ広告やモバイル戦略についても言及された。
コンデナスト社のプログラマティックへの取り組みは、2011年にスタートしたが、昨年大きく方針を転換。「キャタリストデスク(Catalyst Desk)」を結成し、プログラマティックへの取り組みを加速したという。キャタリストデスクは、アドテクノロジーの各領域のエキスパートで構成され、コンデナスト内におけるプログラマティックのためのベスト・プラクティスを開発・実行している。グーグルやアドテクノロジーベンダー企業など、社外からプログラマティックに知見の深い人員を集め、構成されているという。
そして、クリストファー氏の講演で最も印象的だったのは「(パブリッシャ―にとって)プログラマティックは脅威ではない」という言葉だった。
1、Build your programmatic team(プログラマティックチームの構築)
2、Educate your salesforce(営業部隊の教育)
3、Co-sell:existing products plus programmatic options(既存の商品とプログラマティックオプションの同時販売)
「パブリッシャ―はどのようにプログラマティックを活用していくべきか。その方法は実にシンプルだ。1つは、プログラマティックチームをつくること。プログラマティックに知見のある人を活用すること、それが重要だ。そして次のステップは、営業部隊にプログラマティックについての教育をすること。プログラマティックは現在の営業活動を補完するものであり、”脅威”と見なす必要はない。実際には彼らの仕事をより強くするものであり、プログラマティックを活用するベネフィットを教える。そして3つ目は、既存の広告商品とプログラマティックオプションを同時販売することだ」
近年の日本においても、プログラマティックに積極的に取り組む広告主が増えている。その一方で、広告主に比べると、パブリッシャ―であるメディア側の腰が重い現状も見受けられる。コンデナスト社のプログラマティックのベストプラクティスを示した本講演は、日本のメディア企業への示唆に富むものであった。
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