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App Annie、Z世代のモバイル消費行動をまとめたレポートを発表/よく使うアプリは?

 モバイル市場データプラットフォームを提供するApp Annie(アップアニー)は、Z世代(ジェネレーションZ)と呼ばれる若年層の各国での市場動向、モバイルでの消費行動をまとめたレポートを発表した。

世界のZ世代に人気のソーシャルメディアは? 成功事例は「Snapchat」と統合した「YOLO」

 ソーシャルメディアとともに成長してきたZ世代は、モバイルを日常生活の中で欠かせないものとして位置付けている。中でも「Instagram」においては、メインアカウントとは別で、プライベートな内容を投稿する「フィンスタ(フェイク・インスタグラムの意味)」というアカウントを利用している。

 「Snapchat」や「Instagram」のほかに、友達と質問を交わしあえるQ&Aアプリ「YOLO」などのソーシャルメディアが人気を博しているのも、プライベート性が高く短期間で投稿が消えるという理由が関係していると言える。

 このグラフにおいて利用が最も多いアプリではないが、米国で流行している「YOLO」は、各市場でランキングトップを獲得している「Snapchat」と統合した。既存の人気アプリのネットワーク効果を活用するという手法で勢いを獲得し、爆発的な人気を集めている。Z世代へのエンゲージを獲得するための成功事例であると言える。

Z世代が最も利用するソーシャルおよびコミュニケーションアプリは、日本では「Instagram」がトップに。一方アメリカを含むほか9ヵ国では「Snapchat」がよく使われていることがわかった
Z世代が最も利用するソーシャルおよびコミュニケーションアプリは、日本では「Instagram」がトップに。
一方アメリカを含むほか9カ国では「Snapchat」がよく使われていることがわかった

ショッピングアプリはZ世代のニーズを満たすアプリが人気

 オーストラリア、ブラジル、英国、米国の4つの市場でZ世代から人気の高いアプリは「Wish」というアプリだ。

 Amazonなどの競合アプリと異なり、「Wish」は価格のみにフォーカスしており、それがZ世代より人気を集めている要因と言える。Z世代の多くはまだ社会に進出しておらず、配達日時を遅らせる代わりに、商品を割引価格で購入することを好んでいるとも言える。Z世代を惹きつけるためにマーケティング、小売価格の戦略を強化しており、その成果がこのグラフから読み取れる。

 小売業界は、「Wish」をベンチマークとすることで、モバイルでのZ世代の購買ニーズを満たす方法を検討するヒントが見つかるかもしれない。

日本で最も使われたショッピングアプリは「メルカリ」に。オーストラリア、ブラジル、英国、米国の4つの市場で最も人気だったのは「Wish」だった
日本で最も使われたショッピングアプリは「メルカリ」に。
オーストラリア、ブラジル、英国、米国の4つの市場で最も人気だったのは「Wish」だった

ファイナンスは各国でも後れをとっており、Z世代にエンゲージするチャンス

 ファイナンスアプリは、Z世代の利用が多いアプリではほとんどなく、多くの市場で自国のアプリがトップを占めている。

 韓国では、「Toss」というアプリ以外に、Z世代にアプローチをしているファイナンスアプリはない。「Toss」は、「Samsung Pay」などと並んで韓国でメジャーな電子決済アプリ。シンプルな個人間送金アプリとしてスタートしたが、複数の金融サービス・プロバイダーのクレジット、ローン、保険、投資商品を扱うアプリに成長した。

 他市場の競合アプリは、この成功事例を参考に、ファイナンスアプリでZ世代にエンゲージできるチャンスがあると言える。

ファイナンスアプリは自国のアプリが最も利用される傾向。<br />韓国では「Toss」が多くの支持を集めている
ファイナンスアプリは自国のアプリが最も利用される傾向。韓国では「Toss」が多くの支持を集めている

日本のZ世代のゲーム利用時間は、世界平均の2倍超

 日本のゲームユーザーは利用時間が長いだけでなく、ゲームアプリのアクセス回数が世界平均より80%多くなっている。これは、日本のモバイル市場が成熟化していることを示す。さらに2019年上半期の時点で、日本は米国よりはるかに人口が少ないにも関わらず、ゲームアプリの消費支出が米国に次いで世界で2番目だった。

 日本の成熟したゲーム市場において、アプリパブリッシャーがZ世代のエンゲージメントを獲得するためには、新しいクリエイティブな方法を見つけ出して自社アプリを差別化する必要がある。

Z世代のゲーム利用では、月間のセッション数、利用時間ともに、日本が他国を大きく引き離す結果に
Z世代のゲーム利用では、月間のセッション数、利用時間ともに、日本が他国を大きく引き離す結果に

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2019/12/04 13:45 https://markezine.jp/article/detail/32520

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