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携帯電話のアクセスの解析で理解しておきたいこと(前編)

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2007/07/30 10:30

 携帯電話向けのサービスに日々注目が集まってきていますが、今回は、そんな携帯向けのアクセス解析について技術的側面から、どういった仕組が利用できるのか、また何が計測できて何ができないのかといったことも含めて見ていきたいと思います。(後編はこちら)

携帯電話は非常に特殊な世界

 ここ最近、携帯電話向けのサービスが注目されています。などと書くと、「何をいまさら」と思う方もいるかもしれません。携帯電話からインターネットにアクセスできるようになったのは、それほど最近のことではないからです。そして、携帯向けのWebサイトも、結構前から存在しています。にもかかわらず、携帯電話向けのサイトの話題がよくニュースになるのは、それだけ携帯が普及してきたことや、携帯電話の機能が向上してきたこともありますが、それに加えて「モバゲータウン」のような、急成長したサービスが登場したことや、auがGoogleと手を組んだり、Softbankの携帯電話では標準の画面にYahoo!の検索窓がついていたりと、パソコン向けだった検索エンジンが携帯からも使えるようになったことで、携帯キャリアの公式のメニューに載っていないサイトでも、アクセスを集めることができるチャンスが生まれたことなど、さまざまな要因があると思います。

 しかし、携帯電話は非常に特殊な世界です。Webサイトの作り方もパソコン向けのものとは異なります。そして、携帯電話のアクセスの仕方も、パソコンのブラウザとは違います。そのため、本連載のテーマであるアクセス解析の方法も、パソコン向けのものとは異なっているのです。今回は、そんな携帯向けのアクセス解析について技術的側面から、「どういった仕組が利用できて、何が計測できて何ができないのかなどを見ていきたいと思います。

携帯電話からのWebのアクセス

 まずは「携帯電話からインターネットにアクセスした場合と、パソコンからインターネットにアクセスした場合ではどう違うのか」ということから見ていきましょう。とはいっても、携帯電話とパソコンで、基本となるアクセスの仕組は全く変わりません。Webページへのアクセスには、どちらもHTTPという仕組み(第1回を参照してください)が使われています。

 あるURLのデータを持つサーバに対して、クライアント(携帯電話の場合は携帯の中にいわばブラウザが入っている状態なので、クライアントは携帯の機体そのものといえるでしょう)からアクセスが行われます。そして、それに対してサーバは、指定されたURLのデータをクライアントに送り返します。

基本的な仕組は携帯もパソコンも同じ

 基本的な仕組が同じなので、アクセスを解析する方法も、ベースとなる技術は同じです。したがって、これまで本連載で紹介してきた考え方は、ほぼそのまま通用します。同じ技術を使っているにもかかわらず、今回携帯電話について、単独で取り上げたのは、携帯電話とパソコンでは、取れる情報の種類や質が異なり、その結果、解析できる情報に差が出てきてしまうからです。携帯電話でのWebページへのアクセスが、パソコンからのアクセスと違う点として代表的なものは、以下の3点です。

  1. 送ってくる情報が少ない
  2. JavaScriptが動作しない
  3. クッキーを利用できない

 まずは「送ってくる情報が少ない」という点です。第5回でも解説したとおり、パソコンのブラウザは、サーバにアクセスをする際に、さまざまな情報を送ってきます。アクセス解析にとって重要な情報としてはブラウザの名前を取得する「ユーザーエージェント」や、リンク元を取得する「リファラー」などがあります。ユーザーエージェントに関しては、ほぼすべての携帯電話が送信してきます。しかもそのユーザーエージェントは、キャリアごと、携帯の機種ごとに異なっているので、そのため、アクセスログに記録されたその情報から、アクセスしてきたのがどのキャリアで、なんという機種からアクセスしてきたのか、ということまでわかります。

 しかし、リファラー情報に関しては、送ってくれない機種も多くあります。そのため、携帯電話からのアクセスでは、そのサイトへどういった経路でアクセスしてきたのか、ということを完全に解析することはできません。パソコンでも、セキュリティソフトを入れたりしてリファラー情報を送ってこないようにしている人はいますが、基本的にはほとんどの人が送ってきてくれます。しかし携帯の場合、リファラーを送ってこない機種は、そもそも何の設定もしなくてもはじめからリファラーを送らないので、厄介なのです。リファラー情報は、検索エンジンからのアクセスや、どんなキーワードで検索が行われたのか、ということの解析にも利用されているため(第5回参照)、これらの情報についても、解析することが難しくなります。

 auやSoftbankの携帯の多くはリファラー情報を送ってきますから、リンク元も、検索キーワードも解析が可能です。しかし、DoCoMo機種の多くは送ってきません。一部だけでも送られてきたリファラーを解析することは意味がありますし、行ったほうがよいのですが、キャリアに偏りがあるため、その結果を、そのままアクセス全体に適用させるのは難しいでしょう。

 続いては2番目の「JavaScriptが動作しない」についてです。


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連載:水野貴明の“技術から学ぶ”アクセスログの読み方

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