情報を要約する分析、主成分分析をやってみよう!
統計の本を読むと難しい名前の分析手法が数多く出てきますが、重要なのはデータの種類や分析の目的にあわせて手法を選べるかどうかです。
ある変数の値が測定されていて、その変数の値が他の変数から予測できるような場合(目的変数のyが想定できる、y=ax+bような場合)、外的基準があるといいます。前回までみてきた回帰分析は外的基準があり、目的変数と説明変数がともに数量データでした。説明変数が言語データ(質的データ)の場合、質的データを0と1に置き換えて(ダミー変数といいます)分析する数量化Ⅰ類という手法もあります。
簡単にまとめると、ビジネス統計で知っておきたい分析には以下のような種類があります。
これからご紹介するのは、目的変数yにあたるような外的基準がない場合です。目的変数がない場合の分析の目的は、簡単に言うとグループ分けをする場合が多いです。
今回はその中でも、主成分分析をご紹介します。 主成分分析は、データを要約する分析手法と呼ばれています。複数の変数を持つデータをただ眺めているだけでは、データの特色はなかなか理解できません。情報の損失をなるべく少なくしながら、より少ない変数でデータの特色をつかむことができるように新しい変数(合成変数)を作り出す。これが主成分分析なのです。
主成分分析を事例で学ぶ:もっとも効果的な缶コーヒーの陳列順を探れ!
店舗エリアマネージャーは、コンビニで扱う缶コーヒーについて、どう陳列するのがもっとも効果的か模索しています。
消費者の立場に立って、たとえば総合的な人気商品は「とりあえず迷ったらコレ!」、特化した個性で訴求する商品は「香りにこだわる人へ」といった具合に分類できたらと考えていました。
そこで、マネージャーは各缶コーヒーについて、「コク」「香り」「酸味」の3つの特色で5段階評価のアンケートをとりました。以下の表は、各缶コーヒーの評価点と平均、標準偏差をまとめています。
このデータをもとに、缶コーヒーそれぞれの特色を指標として出すには? ここで、主成分分析の登場です。
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