AdRollが「日本のデジタル広告市場に関する業界白書(State of the Industry Report -Japan)」を発表した。白書によると、広告予算の10%以上をリターゲティングに費やしている日本企業の割合は2014年末時点で58%。今後12か月にわたるリターゲティング予算の維持、もしくは拡大を予定している日本企業の割合は84%との結果が出た。
その他のパフォーマンス(実績連動型)広告との比較では、国内のマーケターの89%が検索エンジンと同等、もしくはそれ以上の効果があると回答。ディスプレイ広告およびEメールと同等、もしくはそれ以上と答えた国内のマーケターの割合は、それぞれ91%および87%に上った。
一方で欧米のマーケターと比較すると、データに基づくマーケティングに関して、日本国内のマーケターは知識が乏しいことも浮き彫りにされた。アトリビューション分析の重要性に対する認識は、日本国内の広告業界でも高まっている一方で、アトリビューションを「非常に重要」もしくは「やや重要」と位置づけた回答者の割合は55%にとどまった。
さらに、日本のマーケターの2人に1人が、自らを「アトリビューショントラッキングに関して初心者」と認識するなど、欧米との大きな隔たりを示す結果も明らかにさた。また「ビュースルーコンバージョンを考慮しない」と答えた日本人マーケターの割合も、米国の8%、ヨーロッパの7%を大きく上回る36%に及んでいる。
日本国内ではソーシャルメディア広告がさらなる拡大傾向にある。最も注目すべきリターゲティング広告媒体として、マーケターの5人に1人が「有料ソーシャルメディア」を挙げる結果となった。消費者がオンラインで費やす時間の3分の1がこうしたソーシャルネットワーキングサイトに向けられていることを踏まえると、これらのメディアを利用している顧客との双方向による会話を可能できるソーシャルメディアは、画期的なマーケティングツールと言える。実際に白書では、リターゲティングミックスにソーシャルメディアを追加することによってコンバージョン率が143%(平均実績)増加したことが示されている。
【調査概要】
調査は、広告事業の企画・運営に日常的に携わる200人の日本人マーケターを対象に、第三者調査機関の協力のもとAdRollにより実施した。基礎データは、日本の市場で毎月3,350万回以上の広告インプレッションを配信する4,000社近い広告主によるアクティブなAdRollリターゲティング広告キャンペーンから収集したデータを考察(2014年7月1日~2014年12月30日)。
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