2008年に入って、2つの規格をめぐる動きは急展開を見せた。米国で1月にワーナー・ブラザースがブルーレイディスクを支持したのに続いて、2月に小売世界最大手のウォルマート・ストアーズや、家電量販大手のベストバイなどが支持に回ったことが決定的となった。
東芝をはじめとするHD DVD陣営が組織した「HD DVDプロモーショングループ」には、メモリーテック、日本電気、三洋電機をはじめ、キヤノン、角川ホールディングス、ポニーキャニオン、ワーナー・ホーム・ビデオ、ユニバーサル・スタジオ、パラマウント・ピクチャーズ、ドリームワークス・アニメーション、インテル、マイクロソフトらが参加。一方のブルーレイディスク陣営も「Blu-ray Disc Association(BDA)」を設立し、ソニーをはじめとして、シャープ、三菱電機、TDK、日立製作所、松下電器産業、アップル、デル、ヒューレット・パッカード、LG電子、サムスン、20世紀FOX、ウォルト・ディズニー、ワーナー・ブラザーズなどが参加。いずれも、家電、コンピュータ、映画、ゲームなど各業界を代表する大企業がそれぞれの陣営に参加し、これらの規格の行く末を見つめていた。
しかし世界的なブルーレイディスク支持の情勢を踏まえて、東芝が出した事業断念の決定によって、HD DVDプレーヤーとレコーダーの新商品の開発・生産は中止。今後は製品の出荷を縮小し、3月末をめどに事業を終息することになる。今回の決定はパソコンやゲームなどに向けたHD DVDドライブにも影響を与えることになるが、顧客企業の需要に配慮しつつ、同様に量産を終了することを決定したという。
東芝は、現行のDVDプレーヤーおよびレコーダーについては事業を継続し、HD DVDドライブ搭載の東芝製ノートパソコンについては、市場ニーズを踏まえてパソコン事業全体の中で位置づけを検討する。また、今後は新たな次世代映像事業の中長期的な新戦略を再構築するとしている。
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