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LINE導入で電話問い合わせはどのくらい減るのか?大きく変化しつつあるバッファローのCSの現場

 AIによる自動対応に加え、有人でのチャット対応など、状況やニーズに応じて適切なコミュニケーションを可能にするLINE カスタマーコネクト。本記事では、LINE カスタマーコネクトを導入し、入電数を減らすことに成功している株式会社バッファローに、変化しつつあるカスタマーサポートの現場について話を聞いた。

電話・メールに加え、LINEを新たな問い合わせ手段に

 Wi-Fi(以下、無線LAN)や外付けハードディスクをはじめとした、パソコンやスマートフォンの周辺機器、サービスを製造販売する株式会社バッファロー。同社は、製品に関する相談や問い合わせを受けるサポートセンターを設けており、電話・メールに加わる新たな問い合わせ手段として、2017年6月にLINE カスタマーコネクトを導入した。

 導入から約1年が経過し、成果も出始めているという。現在感じているLINE カスタマーコネクトの効果を、同社の嶋田氏と八釼氏に聞いた。

(左)株式会社バッファロー 品質・技術部 CS課長 嶋田豊秋氏(右)株式会社バッファロー 品質・技術部 CS課 市場サポート係 八釼麻里氏
(左)株式会社バッファロー 品質・技術部 CS課長 嶋田豊秋氏
(右)株式会社バッファロー 品質・技術部 CS課 市場サポート係 八釼麻里氏

――はじめに、お二人が担当している業務を教えて下さい。

嶋田:私は、品質・技術部という部署に所属しています。この部署は、CS課・品質保証課・デザイン課に分かれておりまして、今回LINE カスタマーコネクトを導入したCS課は、コールセンター・修理センター・保守サービス・返品センターといった、お客様と直接やり取りする業務を担当しています。

八釼:コールセンターの運営や管理をメインに担当しています。具体的には、コールセンターの運営を委託している外部との運営や発注に関するやり取り、入電数の管理調整、コールセンターからのエスカレーションなど、様々な業務を行っています

――では、LINE カスタマーコネクトを活用して提供しているサービスの概要を教えて下さい。

嶋田:弊社のLINEアカウントを友だち登録してくださったお客様に対して、LINEでの問い合わせサービスを提供しています。初回応答時以外は、オペレーターが文字や画像で対応できる「Manual Reply」を使い、返答しています。近日中に、電話番号からLINEアカウントを探してメッセージを送信できる「Call to LINE」の導入も予定しています。

LINEでのカスタマーサポートサービスのイメージ画面
LINEでのカスタマーサポートサービスのイメージ画面

八釼:現在、LINEの友だち登録数は2万を超えています。日次の友だち登録数と、LINEでの問い合わせ件数は必ずしも一致していないので、特に用はないけど友だち登録をしておいて、困ったことが起きた時に問い合わせをする方が多いようです

他社に先駆けて導入を決めた理由

――次に、LINE カスタマーコネクトの導入に至った経緯を教えて下さい。何か、課題感などがあったのでしょうか?

嶋田:これまで主な問い合わせ手段として、電話・メールがありましたが、1対1でしかコミュニケーションできない電話は、混みあう時間帯にお客様をお待たせしてしまうことが多々ありました。また、通話料をお客様にご負担いただくことにも問題意識がありました

 弊社の場合、何らかの事情でネットが繋がらず、お困りの状況でご連絡いただくことが大半ですから、いかに早くトラブルを解決できるかが重要となります。このような課題を解決するために、LINE カスタマーコネクトの導入に至りました。

――バッファローは、かなり早い段階からLINE カスタマーコネクトに目を付けて導入準備を進められてきたと伺いました。いち早く、LINEのサービスを導入しようと考えたのは、なぜだったのでしょうか?

嶋田:弊社は、オムニチャネルの観点から、新たなチャネルが出てきた時には、他企業に先駆けていち早く取り入れることを目標にしています。LINEがチャットサービスを企業向けにリリースしたと聞いたときも、すぐに導入する準備を始めました。

 また電話と異なり、LINEは担当者のスキル次第で同時に複数のお客様への対応ができるため、お客様側で待ち時間がほとんど発生しないこと。好きなタイミングでの返信が可能なので、電話のようにお客様を拘束する必要がないことにもメリットを感じました。

LINEのおかげでチャットの文化が根付いてきた

――LINE カスタマーコネクトを導入してから、どのような利点を感じていますか?

嶋田:実は弊社では、4年ほど前にチャットツールを導入していたことがあります。しかし、その時はサービスが根付かず、ほとんど使っていただけませんでした

 ところが、LINEのサービスは、提供してからすぐに利用していただけています。LINEが生活者に浸透していることは言うまでもありませんが、チャットを使うという文化自体がLINEのおかげで生活者に根付いたことを感じています

 加えて、我々自身もLINEを日常的に使っていることから、お客様の立場になって導入の準備を進めることができました。

――逆に、導入において苦労したことはありますか?

嶋田:LINEでの返信に対応するオペレーターを何人くらい用意するか、最初は悩みました。当初は5人くらいの規模で始めましたが、結局今は約15人での対応体制になっています。

 また、LINEでのサポートサービスについて、お客様に認知してもらうまでに、やや時間がかかりました。最初はプロモーション不足のため、問い合わせ数が少なかったのですが、メルマガやTwitterでお知らせしたり、Webページでも導線を敷くなど、LINEでの問い合わせサービスの存在をアピールをしたところ、一気に問い合わせが増えましたね

電話での問い合わせ件数は、1年間で27,000件減少

――電話でのオペレーションと、LINEなどチャットでのオペレーションでは、どのくらい対応できる件数が変わるのですか?

八釼:電話の場合ですと、1時間で1人のオペレーターが対応できる件数は最大でも3件です。一方、LINEやチャットでは、平均して4~5件くらい対応することができます。

 また、電話での問い合わせに待ち時間が発生してしまっている時は、電話からLINEに問い合わせが流れてくることもあります。このようにLINEでの問い合わせが多くなっている時には、約6~7件の問い合わせを1時間で対応することも可能だとわかっています。

 年間入電数にも影響が出始めています。昨年6月からLINEでの問い合わせを開始して、10月頃から入電数が減り始めました。前年度と比較すると、無線LAN製品に関する入電数は、27,000件減少していました

――「Manual Reply」だからこそ、対応できることも多いと思うのですが、いかがでしょうか?

八釼:お客様によっては、一回のFAQのやり取りで終わることもあるので、AIでも解決できるようなお問い合わせ内容もあります。ですが、「原因がわからないけど、なぜかネットが繋がらない……」など、漠然としたお問い合わせには、人間でなければ対応できないだろうと思います

 LINEでは、写真のやり取りもできますので、電話よりも早く状況を把握することができることもメリットでしょう。弊社の場合、周辺機器や配線状況、機器の型番など、お客様が自ら言葉で説明するのが難しいことが多々あります。そういった時に画像でのやり取りができると、オペレーターもすぐに状況がわかるので、スピーディーに解決することができます

LINEを窓口にすることで広がる可能性

――LINE カスタマーコネクトを導入されてから、約1年が経過したということですが、現状でなにか課題は見えていますか?

嶋田:LINEでの問い合わせサービスの認知を拡大することが、当面の課題であり、目標です。お客様にとっても、LINEで問い合わせることで時間やコスト面のメリットがありますから、顧客満足度の向上にもつながると考えています。

――では、カスタマーサポートに限らず、今後LINEを通じてどのようなコミュニケーションをしていきたいとお考えですか?

嶋田:今は、カスタマーサポートのオムニチャネル化を目的とした活用にとどまっていますが、将来的には自社の情報発信といったマーケティングへの活用はもちろん、お客様とのやり取りをすべてLINEで対応・管理することを理想としています

 たとえば、製品の修理・申し込み、費用の支払いまでをLINEで完結できると良いですよね。我々が提供するサービスや商品価値がすべてつながり、今より可能性が様々に広がっていくと考えています。

八釼:弊社の製品は、幅広い層のお客様にご利用いただいています。ですが、無線LANなどの機器に関しては、馴染みがなく難しいイメージを持たれているお客様も多くいらっしゃいます。

 今後は、LINEをすべてのお客様にとって、些細な内容でも気軽にご連絡いただけるような窓口にしていきたいと考えています。ご連絡いただいた後の対応についても、LINEで案内できるFAQページを拡充するなど、なるべく早く困りごとを解決できるサービスを提供していきたいです。

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この記事の著者

畑中 杏樹(ハタナカ アズキ)

フリーランスライター。広告・マーケティング系出版社の雑誌編集を経てフリーランスに。デジタルマーケティング、広告宣伝、SP分野を中心にWebや雑誌で執筆中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2018/06/06 11:00 https://markezine.jp/article/detail/28470