流行を即時キャッチアップできる最適化とは
麗狗:「グノシー」のアプリでの記事閲覧データと、FacebookおよびInstagramの利用者データから、誰に対して、どの記事を広告表示し、アプリインストールを促すのが効果的かを考え、最適化を進めます。ここで非常に大事になるのは、アプリ上の行動データをいかに貯め、広告配信の学習シグナルとして活用できるかです。この学習シグナルが良質かつ豊富であるほど、広告効果はどんどん改善していきます。
「グノシー」の場合も、記事閲覧データが増えるほど、学習シグナルは増加し、日々配信のパフォーマンスは良くなりました。
MZ:この最適化の精度に関して、石井さんはどのように評価していますか。
石井:非常に高いと思っています。特に、私たちが提供する情報は流行の移り変わりなども激しかったり、季節性があったりするので、それを広告制作に反映しようと思うと正直追いつききれないところもありました。
ダイナミック広告であれば、リアルタイムの記事閲覧データをもとに学習を進めるため、突発的に閲覧数が伸びたなど、タイムリーな利用者動向の変動も正確に把握し、すぐ広告配信に活かしていくことができます。こういった即時的なトレンドもしっかりとキャッチし、タイムリーに広告表示に反映できるのはダイナミック広告ならではだと思います。
MZ:ちなみに、ダイナミック広告の最適化を精緻にしていく上で重要なことはなんでしょうか。
麗狗:まずは対象となるWebサイトやアプリのデータを可能な限り提供いただくことですね。そうすることで我々の持つデータとの突合が進み、利用者のニーズに合った広告配信が可能になります。
次に、製品カタログに関してですが、広告配信に使うものだけを絞ってアップロードするのではなく、メディア企業様の場合であれば、保有している全コンテンツを格納しておくことが重要です。また、記事カテゴリなど、各コンテンツの情報が詳細にわかるように整理するのも重要ですね。
これらのデータの突合と製品カタログの整備を行って、シグナルの量と質を担保していくことがダイナミック広告の運用には欠かせません。
MZ:石井さんはいかがでしょうか。
石井:コンテンツを持った企業の場合日々コンテンツがアップロードされるので、データフィードの更新頻度も重要だと思います。1日1回でも足りないくらいなので、限りなくリアルタイムに近い形で更新することが大事です。
両社の連携でスムーズに導入
MZ:ちなみに、ダイナミック広告を導入していく上で大変だった点はありますか。
石井:正直、あまりなかったです(笑)。というのも、麗狗さんからも手厚いサポートを受けていたのと、インハウスで導入・活用を進めていたのが大きいと思っています。私たちが課題感や導入・活用に際し必要なことを認識して社内のエンジニアに伝えて進めていたので、約1ヵ月で導入は済みました。
麗狗:特にGunosy様の場合、開発など他部門との連携がスムーズであったので、ダイナミック広告の導入は非常にスムーズに進みました。さらに、改善に向けても抜本的なデータフィードの改修も行っていただけたので、結果として非常に高いパフォーマンスを作ることができていると思います。