CCCマーケティングは、食の領域を中心とした生活者のエシカル消費に関してさまざまな視点で研究開発し、その成果を発表していく「エシカル消費研究会」を立ち上げ、第一弾として「エシカルに関する実態調査」を発表した。
同研究会は、共創型プラットフォーム「Tカードみんなのエシカルフードラボ」内に位置づけられる研究会。Tのユニークデータをもとにデータベースマーケティング研究所と、CCCマーケティング総合研究所が中心となって、食の領域を中心とした生活者のエシカル消費について研究していくことを目的に設立された。
エシカル消費研究会の実施したエシカルに関する実態調査によると、2021年2月段階ではエシカルの認知はまだ低いものの、エシカルという言葉に対するイメージから5つのクラスターに分類ができるという。
「エシカル」の認知率は21.8%
「エシカル」の認知状況を聞いたところ、「内容まで知っている」は5.5%、「聞いたことはあるが内容はよくわからない」は16.3%で、両者を併せた認知率は21.8%だった。
関連するワードの認知率(「内容まで知っている」+「聞いたことはあるが内容はよくわからない」)は、認知率が高い順に、「エコロジー」76.0%、「SDGs」52.2%、「ロハス」51.8%、「サステナブル」50.6%、「フェアトレード」46.8%、「エシカル」21.8%、「ESG」17.8%、「倫理的消費」17.8%。
「エシカル」はまだまだ広く浸透した言葉ではないと考えられる。
共感は「どちらともいえない」
次に、「エシカル」を知らなかった回答者も含めて、概念を説明した上で「エシカル消費」に共感するかどうか5段階で尋ねた。
エシカル消費に「共感できる」は8.7%、「やや共感できる」は27.8%で、両者を併せると36.6%だった。最も多かったのは「どちらともいえない」で49.4%だった。
また、「エシカルフード」についても共感するか尋ねると「共感できる」10.3%、「やや共感できる」31.4%で、両者を併せると41.7%だった。「どちらともいえない」は46.7%だった。
「どちらともいえない」が多いのは、まだよくわからない回答者が多い状態だと考えられるが、その中でも「エシカルフード」に共感する回答者は「エシカル消費」と比べて多かった。これは身近なテーマであるため、共感するケースが多いのではないかと考えられる。
エシカルに対するイメージから5つのクラスターに分類
「エシカル」の概念を説明した後にイメージワードを提示して、それぞれあてはまる度合いを5段階で聞いた。
「あてはまる」もしくは「ややあてはまる」の回答が多い順に、「真面目」46.5%、「先進的」35.3%、「役に立つ」34.2%、「安心できる」32.6%、「信頼できる」30.7%だった。
この回答結果からエシカルに対してのイメージ傾向で、回答者を5つのクラスターに分類した。
約半数は、明確な意思や態度がまだ無い状態だと考えられる。また、安心、信頼、真面目など好意的に見ている回答者の中でも、先進的な事柄というイメージの層、伝統的・保守的なイメージの層の両方が存在する。その他、真面目なイメージでとっつきにくさを感じている層も見られる。
エシカルフードに関連して関心を持つのは「食品ロスの削減」
エシカルフードに関連する事柄についても関心度を5段階で聞いた。「関心がある」もしくは「やや関心がある」の回答が多い順に、「食品ロスの削減」64.0%、「過剰包装の削減」58.1%、「消費者の健康への配慮」55.2%、「地産地消」54.3%、「労働者への公正な賃金の支払い」53.0%だった。
【調査概要】
方法:インターネットアンケート
期間:2021年2月26日(金)~2月28日(日)
地域:全国
対象:16歳~69歳男女
サンプル構成:居住地8エリア×性別×年代を人口動態に沿って割付
サンプル数:3,000名