SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのウェビナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

『MarkeZine』(雑誌)

第100号(2024年4月号)
特集「24社に聞く、経営構想におけるマーケティング」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

先進的なCRMを実践する事例大全(AD)

LINE公式アカウント活用で応募数が急増!Adecco×MicoCloudが行うパーソナライズ配信

 LINEは日本国内の月間利用者数が約9,500万人(2023年6月時点)となり、マーケティングツールとして注目されている。しかし、LINE公式アカウント運用に苦戦し、打開策を模索している企業も少なくない。本記事では、世界60の国と地域で人材サービス事業を展開するAdeccoGroupの日本法人・アデコ株式会社(Adecco)に、LINE公式アカウントの活用事例について伺った。

人材需要が高まる反面、人材の確保が困難に

──今回は、アデコ様にLINE公式アカウントの活用事例について伺います。まず、昨今の人材派遣業界の動向について伺えますか。

菊井:派遣業界は、コロナ禍から社会活動の正常化による人材需要の高まりが続き、堅調に推移しています。特にIT 関連職種や、稼働者数が多い一般事務職に対するニーズは高いです。社会的には原材料高による物価高騰など経済の先行き不透明感はあるものの、今後も多くの業界で人手不足は続き、企業からの人材派遣に対する需要は引き続き高まっていくと考えています。

アデコ株式会社 マーケティング本部 ブランディング&BtoCマーケティング部<br />部長 菊井直人氏
アデコ株式会社 マーケティング本部 ブランディング&BtoCマーケティング部
部長 菊井直人氏

──人材派遣業界が抱える課題について教えてください。

菊井:“日本国内の人口減少”と、“ITやAI技術の進化による仕事の代替”があると考えられます。人材派遣業では、働き手の減少にともない、人材の確保が困難となることは大きな課題です。

 またスキルを磨いて派遣する、育成型派遣が拡大したことにより研修コストも増えています。そのため、派遣スタッフの確保は色々な側面で難易度が高くなっているとも言えますね。

媒体やWeb施策の限界と、LINE公式アカウントの可能性

──こうした中、アデコ様はどのような課題感を持っていたのでしょうか。

菅原:採用媒体やWeb施策に少し限界を感じていました。アデコは、知名度はあるのですが、今後派遣スタッフとなりうる方々を確保する中長期的な戦略で、新たなアプローチが求められていました。

 加えて、顧客との効果的なコミュニケーションチャネル、顧客の行動履歴や属性情報の収集なども課題でした。属性情報を収集することで、パーソナライズされた広告配信するほか、登録に至らなかった求職者へのナーチャリングや呼び戻しを行いたいと考えました。

──アデコ様はLINE公式アカウントを活用したプロモーションに取り組んでいらっしゃいます。従来のプロモーションと比べ、どのような点に魅力を感じたのでしょうか。

菅原:実はLINE公式アカウント導入以前に、グローバルも巻き込んだアプリ導入のプロジェクトが進んでいました。しかし日本におけるLINEのアクティブユーザー数から市場規模を考えると、LINEというチャネルはとても魅力的でした。また、他社のLINE公式アカウント運用がまだ軌道に乗っていない点もチャンスだと思い、本格導入を決めました。

アデコ株式会社 マーケティング本部 ブランディング&BtoCマーケティング部<br />シニアマーケティングエキスパート 菅原悠太氏
アデコ株式会社 マーケティング本部 ブランディング&BtoCマーケティング部
シニアマーケティングエキスパート 菅原悠太氏

菅原:LINEですと、プッシュ通知や友だち追加をともなう情報発信で、双方向型のコミュニケーションができる点が魅力でしたね。採用媒体やWeb施策にかわる第3のコミュニケーション手段として、新規および既存に対するアプローチを期待していました。

パーソナライズを実現させるために

──LINEマーケティングツールMicoCloudを導入した経緯を教えてください。

菅原:1to1のコミュニケーションの実現するためにも、まずは1toNのコミュニケーションを深める必要あると思いました。そのためのLINE運用の最適化を考えるうちに、「LINEマーケティングツールを導入しよう」という話になりました。5社ほど製品比較を行った中、MicoCloudに決めました。顧客管理機能、チャットボット、アンケート機能、セグメント配信、Webタグなど、機能が充実していたことが理由です。加えてコンサルティング支援やAPI連携など、ソフト面も充実していることも大きかったです。

菊井:決定的だったのは、ISO認証やプライバシーマークなどを所得し、個人情報を適切に取り扱う体制が整っていたため、グローバルな承認も得やすかったのもポイントでしたね。比較するほどに差が際立って、「MicoCloudしかないな」と思うようになりました。

Micoworks担当者:MicoCloudは、ブランドと生活者が対話をしながら購買行動を促す、マーケティングプラットフォームです。コンバージョン最大化に必要な各種機能が搭載されており、実際の集客からファン化に至るまで一元管理できます。また基幹システムとのAPI連携機能、権限付与、セキュリティー関連の機能も万全です。

Micoworks株式会社 カスタマーサクセス部 Director
Micoworks株式会社 カスタマーサクセス部 Director

仕事応募数は、目標に対し540%達成

──どのようにLINE公式アカウントを活用されたのでしょうか。

菅原:フェーズを2つに分けて進めていきました。今回紹介するのはフェーズ1なのですが、友だちの質を担保しながら新規の友だちの数を増やし、仕事応募を増やしました。MicoCloudのコンサルタントが緻密な戦略を立て、施策の提案を行ってくださるので、予想を上回る成果を実感しています。

Micoworks担当者:今回は、LINE公式アカウントがアデコ様の課題を解決しうるコミュニケーションチャネルなのかを検証する意味もありました。「新規友だち登録→登録者のエンゲージメントを高めてナーチャリングする→派遣会員登録→仕事応募」という各プロセスが、LINEで成立するか実際に試していきました。これらは、無事に目標達成できました。

菅原:最初の2ヵ月はかなり不安でしたね。まず既存の登録者に、LINEの友だち登録を促していったのですが、当初は想定の5%ほどの登録しか集まりませんでした。グローバルや他部署からも心配の声がありました。

 しかし、Micoworksさんから「ポイントキャンペーン」をご提案いただきました。応募者の中から当選者を選出する形で、2023年8月にキャンペーンを実施。当選した方へのポイントの付与などの工数を最小限にしつつ、効果が出る施策となりました。

──結果はいかがでしたか。

菅原:直近3ヵ月の成果として、本プロジェクトのKGIである新規会員登録数は、当初目標の120%達成。仕事応募数は同じく当初目標の540%達成と高い成果を創出できています。

 ブロック率も少なく、認知と獲得の面での寄与が非常に大きかったです。新たなコミュニケーションチャネルとして、新規および既存の施策に対するアプローチが拡充できると証明されました。

Micoworks担当者:LINEで友だち登録をされていると、会員登録や仕事応募をされなくとも、LINEにプールされ、継続的なアプローチが可能になります。結果的に求職者が会員登録や仕事応募をしたいタイミングでアクションしやすくなります。そこの差分がプラスに働いたと思っています。

メールと比べて5~8倍ほど反応が良い

──MicoCloud導入前後でLINE公式アカウントに違いはありましたか。

菅原:MicoCloudを使うと、個々の求職者に向けてターゲティングされたメッセージやコンテンツ、仕事情報を送信できます。そのため受け手に合わせてパーソナライズされた情報提供ができるようになりました。これは顧客サポートの強化、コンテンツ戦略、キャンペーンの実施にも大きく貢献し、当社ならではの付加価値の提供を実現していると思います。

 実際に、LINE公式アカウントからの配信は、一般的なメール配信よりもクリック率や開封率が高く、当社でも手ごたえがあります。エントリーや仕事応募は、一般的なメールと比べて5~8倍ほど反応が良いと感じています。

──MicoCloudの良かった点を教えてください。

菅原:やはりコンサルタントの方の細やかなサポートがある点でしょうか。サービスの使い方だけでなく、精巧なマーケティング戦略を展開でき、業務負担が軽減され、素晴らしい成果が生まれています。1人で考えるアイデアには限界があるので、ささいなことも相談できて、私は随分助かりました。

 実は経営層にプレゼンする際の資料作成でもお世話になりました。そこから施策のアイデア出し、施策の実行、結果の振り返りまで、一貫してサポートしてくださるところはあまりないと思いますね。

Micoworks担当者:LINEを運用される各企業様から必ず上がってくるのが、「機能を使いこなせない」「効果を最大化するところまで手が回らない」というお声です。そこで当社では、専任のカスタマーサクセスが、お客様の業界事情や事業推進の背景などを捉えた上で最適な運用を設計し、施策改善まで伴走します。

パーソナライズを深化させて1toNから1to1の発信へ

──LINE公式アカウントを運用されていて意外だった点はございましたか。

菅原:後追い開封が、かなり多かったのが新たな発見でした。メールではコンテンツ送信後に2度は開封されませんが、LINEは配信後も2週間~1ヵ月ぐらいCVが増加します。

 もう1つは、関東およびLINE登録者限定でアデコ独自の求人を配信したところ、仕事応募が非常に多かったことです。少しカジュアルな文面で掲載し、内容も簡潔にしました。コンテンツ同士の回遊率も非常に高く、1人当たりが見るセッション数が多くなりましたね。

──最後に、今後の展望をお聞かせ願えますか。

菅原:今後は、既存会員のリテンションに焦点を当てていきます。顧客属性データをはじめ各種の保有情報と、Webでの行動履歴などに組み込んで最適なレコメンド配信をしていく予定です。パーソナライズをもう一段階深化させていきたいですね。より深い関係を築き上げ、満足度向上を目指します。

Micoworks担当者:今後フェーズ2に挑むのですが、派遣登録してご利用されている既存の求職者に、アデコ様の最適なサービスをお届けすることが命題です。MicoCloudを通じて、求職者の方々最適なコンテンツを届けるべきところにきちんと届けられるようにしていきたいと思っています。

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
この記事の著者

那波 りよ(ナナミ リヨ)

フリーライター。塾講師・実務翻訳家・広告代理店勤務を経てフリーランスに。 取材・インタビュー記事を中心に関西で活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:Micoworks株式会社

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2024/01/23 10:00 https://markezine.jp/article/detail/44400