現時点での所有率1割超えは「予想以上」
「価格.com」は8月にブルーレイレコーダーの購買についての意識調査を行い、同サイトのID登録ユーザー4,978人(男89.1%、女10.9%)から回答を得た。
最新のトレンドに比較的敏感に反応する価格.comユーザーのうち、ブルーレイレコーダーを所有している人の割合は11.6%で、同調査は「予想以上の浸透率」と評価している。また、「所有していない」と答えた人のうち「購入したい」「購入を検討している」を合わせると50%を超えることから、そう遠くない将来に普及率が30%を超えると予想される。
ブルーレイレコーダーの所有者に購入時期をたずねたところ、6割以上の人がこの半年以内に購入。この時期は製品のラインアップが充実し、10万~15万円クラスの製品が増えてきたこともあり、ようやく手ごろ感が出てきたようだ。
購入理由は「デジタル放送の高画質保存」
ブルーレイの購入理由でもっとも多かったのは、「デジタル放送を高画質で保存したいから」(68.5%)で、ブルーレイディスクの再生よりも、デジタルハイビジョン番組の保存用として購入する意識が強いことがわかる。
「ブルーレイディスクで供給される高精細コンテンツを楽しみたい」という意見と同様に多かったのは「ブルーレイに規格が統一されたから」。次世代記録メディアとしてブルーレイとHD DVDの2つが競い合っていた間は様子見だった人たちが、2008年1月にHD DVDが事実上の終結宣言を行ったことをきっかけに購入に踏み切ったようだ。
記録ディスクの値段の高さがネックに
最初の質問で「購入の意向なし」と答えた人は31.5%に達していた。回答者にその理由をたずねると、もっとも多かったのは「ブルーレイレコーダー本体の価格が高いため」が58.8%、「記録メディアの価格が高いため」が46.5%となっており、レコーダーと記録メディアの価格の高さを敬遠している方が多いことがうかがえる。
これまで主流だったDVDレコーダーの価格(5~6万円から購入可能)から考えれば、ブルーレイレコーダーの価格帯は確かに高いが、DVDレコーダーの価格推移と比較するとブルーレイレコーダーの価格下落傾向はかなり早く、1年後くらいには現在のDVDレコーダーの価格に迫るほどの価格下落が起こることも予想される。
購入をためらわせるもうひとつ要因として記録メディアの価格の高さも無視できない。現在のところは、25GBのBD-Rディスクが800円程度で割高感がある。容量あたりの価格で見るとブルーレイが桁違いに高いというわけではないのだが、1枚のディスクが500円程度まで下がらないと、DVDディスクの価格を見慣れた人にはアピールしない可能性がある。同調査は、ブルーレイ普及のカギとなるディスク価格がこの水準に達するにはあと1年程度時間がかかりそうだとしている。
ダビング10導入で「ベンリになった」が4割
デジタルテレビ放送録画のコピー制御の新しいルールとしてこの夏開始された「ダビング10」は、録画機器に録画した番組を他の記録メディアに9回ダビングした後は、ムーブ(移動)だけが可能になる仕組み。導入にあたっては、家電メーカー、コンテンツ著作権者、視聴者などそれぞれの立場で議論が行われ、一時は延期となるなど波乱含みで始まった仕組みだが、このダビング10について「知っている」という回答は約7割だった。
また、ダビング10が導入されて「便利になった」と答えた人は42.2%で、「不便になった」という回答はほとんどなく、「特に変わらない」が 54.8%。この点について同調査は「意外な結果」としているが、ライトユーザーからヘビーユーザーでは、そのあたりの意識はかなり違ってくるのではない だろうか。
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