「第2日本テレビ」は、2005年10月にテレビ局主導のインターネット動画配信事業としてスタートし、テレビとネットの双方でさまざまな企画を展開してきた。国内外を問わず赤字運営となっているネット動画サービスの中で、黒字化を実現できた背景にはいくつかの要因があるという。
まず、無料化によるシステムコストの軽減によって、有料配信サービスとの差別化を図り、「テレビ媒体とネット媒体の双方で展開」する広告手法を確立。さらには、「テレビ局ならではの企画・制作力・タレントブッキング力」によって、クライアントニーズに合った映像コンテンツを制作したことを要因にあげている。
第2日本テレビは、スポンサーニーズに合ったコンテンツを日本テレビの独自のノウハウで制作する「新型クロスメディア広告」を開発し、コンテンツを地上波テレビと第2日本テレビとの双方で放送、配信を行っている。地上波テレビ局の強みを活かしたこの広告商品は、スポンサーからも好評を得ているという。
今回の黒字化は、ネット動画配信のニーズ分析、ビジネスモデルの開発にいち早く着手してきた第2日本テレビの努力が実を結んだものといえるが、こうなると「黒字化はいつ?」といわれ続けているニコニコ動画の今後にさらに注目が集まりそうだ。
しかし、2月5日に行われた日本テレビ放送網の決算発表によると、レギュラー番組枠での収入の落ち込みやスポットセールスにおける広告市況の冷え込みの影響を受け、第3四半期累計期間の単体売上では、放送事業収入は前年同期比で83億900万円減(4.4%減)の1791億8900万円となっている。
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