モバイルニーズはこれからは本格的に高まる
18日の基調講演。トップバッターには、米オムニチュアCEOのジャシュ・ジェイムズ氏が登場。華やかなオープニングがはじまると同時に、同氏は昨年来日したときの経験を語りはじめた。
「電子マネーを使ってコンビニエンスストアで支払いを行ったり、娘とビデオ電話でシームレスに会話ができたり、あらゆるところにQRコードがあることに驚くと共に感銘を受けた。昨年度、米国ではモバイルのキャンペーンで300万人集めたことが話題になったが、日本ではもう一桁多いアクセスを稼ぐサイトがある。米国でもiPhoneを皮切りにモバイル熱は高まっており、少なくともここ1~2年で同じ規模になるという期待している」と述べる。
昨年度、米国のテクノロジー誌『Wired』で「モバイルでの物販購入」「ビデオカンファレンス」「電子決済」といったキーワードについて言及された記事についても触れるなど、モバイルに対しての注目度の高さがうかがえた。
キーワードはインテグレーションと最適化
次に同社の戦略について同氏は触れた。
「不況下において大切なのは『インテグレーション』そして『最適化』。オムニチュア自身が、アクセス解析会社ではなく『オンラインビジネス最適化会社』に進化している最中であり、インテグレーションを実現するためのツール群を提供している」と強調した。
- 「購入単価をX円以上超えたら送料を無料にする」というキャンペーンで利益率を最大化
- SEMとメールマガジンを連動させてサイトへの流入数を23%増加
- 航空会社でのA/Bテストによって1600万ドルの売り上げ増加
など、インテグレーションと最適化の成功事例が数多くではじめていると語り、個々の施策だけではない統合的なマーケティング施策の必要性について指摘した。
不景気をチャンスに
そして、「景気が悪いからといって技術投資を縮めることはない」(同氏)と述べ、昨年同様、今後も積極的に投資を行い製品やサービスを数多くリリースしていくと表明。本イベントでいくつかの新製品のリリースも行なわれた。
こういった積極的な発言は、好調な業績が後押しをしている。オムニチュアの通年の業績は昨対107%。15か国、5,100社のカスタマーを抱え、1秒間に125,000、四半期で1兆ものアクセスをさばいており、ビジネスのスケールは広がっている印象だ。
最後に「情報を活用するための基盤を『Omniture Online Marketing Suite』というツール群とサービスを通じて行っていく」とし、「この不景気を逆にチャンスとみて、積極的に情報を活用して欲しいと思っています。アメリカは今『チェンジ』が起きているが、その変化を見ているだけではなく自分たちでリードしてくべき」とメッセージを送り、セッションを締めくくった。