長引く不況によって、広告予算を削減する企業が増えるなか、SEM業界、ネット広告業界にとって苦しい1年となった。しかし、発表された10大ニュースでは、不況の先を見据えて、新たなサービス、新たなパートナーシップを模索する企業の動きが見られた。
海外では、Googleを追撃する米Microsoftと米Yahoo!の検索事業での提携、マイクロソフトの意思決定エンジン「Bing」の登場のほか、ウェブ解析大手の米オムニチュアが米アドビに買収されるというニュースもあった。
また、ウェブの「いま」を検索可能にするリアルタイム検索に注目が集まった。リアルタイム検索へのニーズは、ミニブログサービス「Twitter」のブレイクによるもので、米Googleは12月にTwitterユーザーが投稿する短い「つぶやき」のリアルタイム検索を可能にするサービスを開始。Yahoo!とMicrosoftもそれに続くと見られている。
国内ではヤフーがコンテンツマッチを終了して、インタレストマッチを主軸とし、オーバーチュアを吸収合併して「Yahoo!」ブランドでのサービスを開始した。またNAVERなどの検索エンジンが日本市場に登場する一方で、Ask.jpが日本から撤退(その後、米Ask.com自ら日本語検索サービスを公開)、ブログ検索のテクノラティジャパン、アクセラナビも終了するなど、撤退・終了が相次いだ。アイレップは、バーティカル検索もウェブ検索同様に大手による寡占化が進む傾向となっており、今後は整理・統合が進んでいく可能性があると指摘している。
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