モバイルサイトも淘汰の時代が到来!?
情報通信総合研究所が実施したモバイル上位レイヤーに関する調査・研究によると、2010年におけるモバイル・コンテンツとモバイル・コマース(モバイル上位レイヤー)の経済波及効果は、06年の4倍の2.4兆円に成長する。特に、市場の成長に大きく貢献しているのがモバイルコマースであるが、その一方で、企業のモバイルサイトの開設状況は2004年に横ばいとなり、2005年、2006年ともに確実に減少している。こうしたデータを踏まえて、石井氏はすでにモバイルサイトは淘汰されていく時代に入っていると語った。
次に、これまでのモバイルマーケティングの変遷について触れた。従来のモバイルマーケティングは、キャリアの公式メニューになることが最大のテーマ(勝手サイトは圧倒的に不利)で、さらに、メニューの上位になることがPV(ページビュー)を上げる手段であった。そのため集客手段、販売方法についての検討は二の次で、PVが判断の拠り所となっていたのである。
しかし、モバイル業界にも変化が訪れる。高機能端末の登場、定額料金制、ネットワーク環境の向上、無料コンテンツの急増、PCとケータイの併用など、ハード、ソフト、インタフェースのすべてが変化し、ケータイだけでも実現できることが拡大した。さらに、モバイルSEMなどが登場、ポータルサイトの検索機能からサイトに誘導される率が増加している。
ケータイ白書2007によると、公式サイトのみの利用者が2割程度なのに対し、一般サイト中心の利用者は45%を占めるまでに拡大しているのだ。つまり、今や公式サイトの一人勝ちという状況ではないのである。
PVだけでなく、購入率など複数の数値で総合的に判断
石井氏はモバイルマーケティングの変化について次の3点を挙げた。