CyberZは、シード・プランニングと共同で、スマートフォン広告市場動向調査を行った。2011年、スマートフォン端末の普及台数は3,000万台を突破し、スマートフォン経由でのインターネットサービスの利用が拡大した。これに伴い、スマートフォン上で提供される情報サービス・アプリのプロモーション需要も急速に拡大した。その結果、スマートフォン広告市場が本格的に形成された。2011年のスマートフォン広告市場規模は249億円と推計。
2012年スマートフォン広告市場規模は856億円
2012年は、スマートフォン端末の普及台数が4,000万台を突破。従来、PCやフィーチャーフォン向けサービスを提供していた事業者が、スマートフォンでのサービス展開を本格化し、スマートフォン上でのプロモーション需要が急速に拡大した。
またこれに合わせてPCインターネット広告やフィーチャーフォン広告を取り扱ってきた広告事業者によるスマートフォン広告市場への参入が相次ぎ、スマートフォン広告商品の提供拡大が進んだ。
これらを受け、スマートフォン広告市場は飛躍的な成長を遂げ、2012年の市場規模は856億円、前年比343.8%と推計。
856億円の内訳
2012年の商品別スマートフォン広告市場規模は、リスティング広告534億円(構成比62.4%)、ディスプレイ広告210億円(構成比24.5%)、成果報酬型広告112億円(構成比13.1%)。
特にリスティング広告市場規模(534億円)は前年比395.6%と大幅に拡大した。主にEC、金融、不動産、人材・教育、交通・レジャー向けサービス等の広告主におけるプロモーション需要拡大が影響していると考えられる。
またディスプレイ広告の市場規模(210億円)も前年比269.2%と拡大。ゲームや電子書籍などのコンテンツや、不動産、旅行等の情報サービスを提供する事業者などのプロモーション需要拡大が影響した。そして同市場においては、複数媒体やアプリに対して一括で広告配信するアドネットワークの需要が全体の8割以上と大きな割合を占める一方で、ソーシャルメディアの新たな広告商品の登場等が市場規模拡大に寄与した。
成果報酬型広告(112億円)は、ゲーム会社や情報サービス提供事業者などのプロモーション需要により増加し、前年比311.1%となった。
2013年市場規模は1,166億円と予想
2013年も引き続きスマートフォンユーザーや情報サービスの増加、ならびにスマートフォン広告商品の拡充が進む見込み。これを背景に2013年のスマートフォン広告市場規模は1,166億円、前年比136.2%と予想する。
2016年には2,000億円突破か
スマートフォン広告において中長期的には、各デバイスの特性を生かした広告商品が生まれる一方で、検索連動型広告のように、デバイスを問わない配信形態をとる広告商品がさらに増えていくことも予想される。O2O領域、あるいはGPSによるユーザーの位置情報を活用した広告商品など、ユーザーに最も身近なデジタル端末ならではの特徴を生かした広告商品が生まれることが期待される。
よって、スマートフォン広告市場は2014年以降も高い成長水準を維持し、2016年には2,000億円規模に達し、また5年後の2017年には2,200億規模に達すると予想する。
【調査概要】
調査主体:CyberZ
調査時期:2012年12月~2013年2月
調査方法:スマートフォン広告市場関係者へのヒアリング、調査主体ならびに調査機関が保有するデータ、公開情報の収集
調査対象:スマートフォン広告市場ならびに関連市場
調査機関:シード・プランニング
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