今回の調査は、2012年12月に投票が行われた衆議院議員選挙の選挙期間における、「Yahoo!ニュース」ユーザーのニュースへの接触と、政治に関する認知・態度・行動との関係について調査したもの。
その結果、Yahoo! JAPANのトップページに掲載される「Yahoo!ニュース」のトピックス見出しを閲覧するだけで、個別の見出しをクリックして記事自体を読まなくても、政治に関する知識の学習効果が認められた。
今回の調査では、事後調査として、選挙期間中にYahoo! JAPANトップページに掲載された「北朝鮮によるミサイル発射問題」「安倍自民党総裁の訪米予定」「イタリア首相の辞意表明」「小沢一郎氏が小選挙区で敗北した場合の進退」「敦賀原発の廃炉問題」「経団連会長による安倍自民党総裁への謝罪」「エジプトでの国民投票」の7つのトピックス見出しについて、各トピックスが掲載された時間帯にYahoo! JAPANトップページを閲覧した回数と、当該トピックス見出しのクリック有無を調べ、クイズの正解率との関係を調査。
その結果、「小沢氏の進退」「経団連会長の謝罪」のトピックスについて、個別の見出しをクリックしなくても、Yahoo! JAPANトップページの閲覧回数が多いほど正解率が上昇することがわかった。以下の図は、「小沢氏の進退」のトピックス見出しを例に、回帰分析の結果をもとに予測値を算出して、この傾向を図示したもの。
「北朝鮮ミサイル発射問題」や「敦賀原発の廃炉問題」は、Yahoo! JAPANトップページの閲覧回数に関わりなく高い正解率となった。これらは、テレビや新聞等での報道量も多く、マスメディア利用の効果により「Yahoo!ニュース」による学習効果が検出されにくかった可能性があるとしている。一方、低い正解率となった「イタリア首相の辞意表明」「エジプトでの国民投票」などの海外ニュースは、見出しの掲載位置が低く、比較的目に入りにくかったとみられる。
これらに対し、「小沢氏の進退」「経団連会長の謝罪」は、政治ニュースであるだけでなく、広く話題を集めやすい人間ドラマの要素も含んでおり、政治的関心の低い層にとっても、政治に関心を持つきっかけとなったと分析している。
今回の調査では、安倍晋三、石原慎太郎、野田佳彦、橋下徹、嘉田由紀子(五十音順)の5名の政治的リーダー(政党党首)のパーソナリティについて、「道徳的に品行方正である」「強いリーダーシップを発揮する」を含む8項目で評価を求め、事前調査と事後調査で比較。その結果、Yahoo! JAPANトップページの閲覧頻度や閲覧時間が長いほど、学習効果が大きく、その効果は、政治的関心の低い層でより顕著に見られた。
【調査の概要】
調査方法:インターネット調査
調査対象:「Yahoo!リサーチ」モニター登録ユーザーのうち、全国の満20歳以上の有権者
事前調査
調査期間:2012年12月7日~2012年12月8日
回答数:1,648名
●事後調査
調査期間:2012年12月16日 20:00以降(投票日の投票締切時刻以降)
回答数:1,030名
※事前調査を回答したユーザーが事後調査も回答
●両者の役割
調査データの解析:NII 情報社会相関研究系 准教授 小林 哲郎
閲覧ログの解析:Yahoo! JAPAN
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