米Media Rating Council(MRC)は、メディア調査会社の監査や認定審査を行なう業界団体。MRCは米広告業界団体IABとともにビューアブルインプレッションのガイドライン策定のために動いてきた。6月30日に発表された"MRC Viewable Ad Impression Measurement Guidelines"は、IABのディスプレイ広告と動画広告の測定についてのガイドラインを補足するもの。
このガイドラインは、主にデスクトップのブラウザベースでのインプレッションについて記しており、ガイドラインの冒頭では、ビューアブルなブラウザの領域、I-Frame、ビューアブルな広告のインプレッション、無効なインプレッション、不正なインプレッションについて定義している。
広告のインプレッションが「ビューアブルインプレッション(Viewable Impression、人間が目視可能なインプレッション)」に分類されるには、ブラウザのウィンドウ内、あるいはアクティブなタブの上に表示された広告が、あらかじめ指定された面積と時間についての基準をクリアする必要がある。ディスプレイ広告の場合、広告のピクセルの50%以上が表示されていること、描画されてから1秒以上連続して上記ピクセルが表示されていることが求められる。
また、動画広告についても50%以上のピクセルが見える状態で、動画広告が再生されてから連続して2秒間以上の表示が求められる。この2秒間というのは、動画広告の冒頭からとは限らない。この基準は一般にインストリーム動画広告についての規定であり、バナー広告枠に動画を組み込んだいわゆるインバナー広告にはディスプレイ広告の基準が適用される。
しかし、動画の再生および測定環境によっては、測定は困難を伴う。ガイドラインの後半では、動画プレーヤーと統合されていない測定環境の場合、ユーザーのクリックによって再生が始まる動画(Click-to-Play Video)は、大部分がクリックされた瞬間にビューアブルと認められるが、自動再生動画(Auto-Play Video)では、再生が始まった瞬間をビューアブルとは認められないとしており、レポート上でこの2つの動画広告測定は分けるべきだとしている。
また、測定されたインプレッションを、ビューアブルインプレッションとして分類することで、当初のインプレッション数より数値は減少する。どの部分を認め、どの部分を外すのかを明らかにするため、今回のガイドラインでは広告配信や測定にかかわる仕組み全体を俯瞰できるランドスケープを提示。ビューアビリティの測定は、図内の1~8のステップをもとにすべきだとしている(可能であれば、ビューアブル率の計算に影響を与える、ステップ15の広告配信ブロックも含める)。
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