フリークアウトが開発・提供するDSP「FreakOut」とプライベートDMP「MOTHER」は、アドビ システムズ(以下、アドビ)が提供するオーディエンス管理ソリューション「Adobe Audience Manager」と連携し、新たにサービス提供を開始した。「Adobe Audience Manager」 との製品レベルでの連携は、国内で開発されたDSP/DMPとしては初めて。
「Adobe Audience Manager」は、企業が持つオンラインとオフラインのデータを統合し、広告出稿やターゲティング、最適化に活用することができるオーディエンス管理ソリューション。分析ソリューション「Adobe Analytics」で取得したオウンドメディア上のアクセスログを基にセグメントを作成することができる。
今回の連携により、「Adobe Analytics」及び「Adobe Audience Manager」を利用する企業は、「Adobe Audience Manager」上で抽出したセグメントをDSP「FreakOut」に共有し、「FreakOut」が保有するターゲティング技術を組み合わせた高度なディスプレイ広告・動画広告の配信が可能になる。データ管理・解析からプロモーション、効果検証までの一連のマーケティングPDCAがシームレスに繋がり、ユーザーとのより効果的なコミュニケーションが期待できる。今回の発表に伴い、フリークアウトの飽浦尚氏とアドビ システムズのマイケル・ポステック氏にインタビューを行った。
マーケターの望みを実現するプラットフォームが整った
――アドビにとって日本国内のDSPとは初めての連携だが、そのパートナーにフリークアウトを選んだ理由は?
マイケル氏:まず前提として、アドビはテクノロジーベンダーとして、中立的な立場にいます。我々のDMP「Adobe Audience Manager」を使っているお客様の中には、フリークアウトのサービスを使っている方も多く、「ツールを連携して使いたい」「アドビの製品で生成したセグメントデータを、フリークアウトのDSPで使えるようにしてほしい」という既存のお客様からのニーズがありました。またフリークアウトの顧客層に、ブランド広告主系の企業が増えていることも、今回の連携を進めた大きな要因の一つです。
――今回の連携は、マーケターにどのうようなメリットをもたらすのか。
マイケル氏:これまで「Adobe Analytics」を使っているマーケターは、主にサイト内のパーソナライゼーションにオーディエンスデータを活用していました。しかしその先の、サイト外の広告まで、データを連携して活用できている企業は多くはありませんでした。この度のサービスを活用すれば、サイト内とサイト外で、オーディエンスに対して一貫性のあるコミュニケーションを図ることができるようになります。これはマーケターにとって、大きなメリットでしょう。
飽浦氏:今回の座組みでは、まずはアドビのサービスを導入・使用していただくことが前提になります。フリークアウトはDSPの会社として、ナショクラをはじめとしたブランド広告主のブランディングのキャンペーンを多数支援してきました。そのお客様の中には、やはりアドビのソリューションを導入している企業が多かったですね。なのでまずは、すでにアドビのサービスを導入している企業の方々に、この度のサービスを活用していただければと思います。
「Adobe Analytics」は、セグメントをカスタマイズする柔軟性にとても優れています。そのセグメントをシームレスにフリークアウトのDSPとデータを連携して広告配信にまで活用し、生活者とのコミュニケーションを図れる。ここに今回の連携の価値があり、まさにマーケターが実現したかったことでしょう。
マイケル氏:さらに重要なことは、サイト内の行動データだけでなく、オフラインのデータまでつなげていくことができる点です。顧客レコードや過去の購入履歴といったオフラインのデータをインポートすることで、それらをターゲティングのロジックに反映させることができます。
飽浦氏:今回の連携により、大きなCRMプラットフォームができあがった。そんなイメージでしょうか。
――アドビとしては今後、他の国内ベンダーのツールとの連携も視野に入れているのか。
マイケル氏:予定としてはありますね。先ほど申し上げたように、お客様であるマーケターから強い要望があれば、アドビとしてはデータの連携を進めていくスタンスです。ウェブ解析ツールなどで取得しているデータを、サイト内だけでなく、広告をはじめとしたサイト外のマーケティングの施策や、顧客と接触するあらゆるチャネルに活用し、コミュニケーションやコンバージョンの最適化に活用していくことは重要です。ですので、弊社としては今回の連携を非常にポジティブに捉えており、今後もマーケターの望みを実現できるプラットフォームを整えていければと思います。
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