購買率・態度変容効果を高めるために重要なこと
昨今、活況を呈しているインフルエンサーマーケティング。これらの施策において拡散は、インフルエンサーの投稿など一次情報の拡散と、インフルエンサーの発信した情報に触れ、商品を実際に見たり、使ってみたりしたユーザーが発信する二次情報の拡散の二種類があります。後者は、SNSに投稿されることもあれば、知人同士の会話の中で話題にあがるなど、オンラインだけでなくリアルの場においても拡散していきます。
二次情報の拡散は一次情報の影響力や拡散力があっての話ですが、より生活者に近い視点でのレビュー(口コミ)であり、インフルエンサーの情報にお墨付きを与える役割があります。このユーザーの二次情報は、発信元が身近な存在であればあるほど、受け手にとって一次情報に対する信頼度・影響度を強化するため、インフルエンサー施策を行う上で重要な要素となります。
言い換えれば、インフルエンサー施策を興味喚起で終わらせず、より実購買や態度変容に寄与させるためには、二次情報の量を増やす施策も考える必要があるのです。そのため、店頭販促やサンプリングなど、一次情報を受け取った生活者が実際に商品を触れることができる、直接的なアプローチとの組み合わせが有効といえるでしょう。
生活者への直接的アプローチ方法とは?
生活者へ直接アプローチする方法として、新たに注目したい手法の一つが「おすそ分け」です。
おすそ分けは(筆者が説明するまでもないですが)、主に友人や隣人、職場の同僚、家族など狭域コミュニティにおいて古くから行われているもので、自身が所有する物を他者へ分け与える、人と物を介したコミュニケーションです。なぜ今、おすそ分け? と思われるかたも多いかもしれません。
オールアバウトライフマーケティングが2016年7月に約2,000人の女性に対し実施した調査では、おすそ分けを受け取った人にその後の行動を聞くと、「商品の感想をおすそ分けしてくれた人に伝える」が最も多く、次いで「商品情報を調べる」「購入する」「購入を検討する」などがあげられ、おすそ分けされた商品は購入率が高く、またおすそ分けされた人に購買意欲の向上が見られました。
加えて、アンケート回答者の約4割が「日常的におすそ分けをする」と答えており、比較的活発におすそ分けが実施されていることがわかりました。そこで、本記事では、現代における「おすそ分けの実態」とマーケティング価値について調査結果から解説していきます。
【調査概要】
調査対象:20代〜50代女性1962名
調査期間:2016年7月
調査方法:インターネットリサーチ