KPMGコンサルティングは、個人から預かったデータの利活用を目的とした「情報銀行(情報利用信用銀行)」事業への参入に取り組む企業や団体を支援する「情報銀行設立支援サービス」の提供を開始した。支援にあたっては、GDPRや中国サイバーセキュリティ法への対応におけるノウハウ、さらにブロックチェーンやAIをはじめとした最新のテクノロジーへの知見を活かすとしている。
情報銀行とは、本人関与の下で個人データを蓄積・管理・流通・活用するための仕組み。情報銀行に蓄積された個人のデータや、企業が保有する産業データ等の取り引きが活性化し、情報銀行が企業や分野を越えたデータ流通の基盤となることが期待されている。
KPMGコンサルティングの情報銀行設立支援サービスは、情報銀行事業への参入を検討する企業や団体に対し、「戦略・立案」「設計」「構築・導入」「運用・事業拡大」までを包括的に支援する。
情報銀行事業の実現には、データ提供者の理解が不可欠だが、消費者にわかりやすい仕組みのほか、個人情報の管理方法や安全性の担保など、様々な課題がある。また、多くの企業がリスクを恐れて個人データの利活用を躊躇していることもあり、ビッグデータの利活用の活性化には消費者のみならず、データを管理する企業側のリテラシーの向上も重要となる。
海外では、欧州を中心に本人の意思を尊重した個人データ活用を実現する流れがあるなか、国内では情報漏えいや不正利用、不透明なデータ管理体制などへの消費者の懸念が高く、また個人情報の利活用への理解は他国に比べ低い傾向にあり、取り組みが進んでいないのが現状。一方、既に活用している日本企業も一定数存在し、また、検討中の企業も含めると、日本企業における個人データの活用は今後、急速に進むとKPMGコンサルティングは見ている。
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