Microsoftの買収額を低すぎるという理由で拒否してきたYahoo!。Microsoftは、1月31日にYahoo!に対して1株あたり31ドル、総額446億ドルでYahoo!株のすべてを買収するという提案を行った。この金額は、同日のYahoo!株の終値に62%のプレミアムを上乗せしたものだが、合意には至らなかった。Microsoftは、続いて1株あたり33ドル、70%のプレミアムを提案したが、Yahoo!側はさらに4ドルの上乗せを提案したため、ついに交渉は決裂した。
MicrosoftはYahoo!との直接交渉が合意に至らなかった場合、Yahoo!の株主に働きかけ、Yahoo!の経営陣を入れ替える委任状争奪戦に持ち込む可能性も示唆していたが、5月3日の発表では完全に買収交渉から手を引くと明言。買収交渉中に、Yahoo!は検索最大手のGoogleと広告配信サービスの試験運用を行っており、Googleの検索市場での優位を崩したいMicrosoftにとっては、こうした動きも懸念材料となったようだ。
買収提案の取り下げ後、米株式市場ではYahoo!株は予想どおり下落しており、Yahoo!経営陣には株主からの厳しい追求が待っている。しかし、Yahoo!のジェリー・ヤンCEOは、Microsoftの条件次第では交渉に前向きに臨むとのコメントを発表し、株価は上昇に転じている。一方のMicrosoftは独自路線を強調しているが、今後の株価や株主の動き次第では、まだまだ予断を許さない状況になりそうだ。
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