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MarkeZine Day 2022 Spring(AD)

チャットボット導入で顧客満足度90%に! チャットプラスが語る導入メリットと活用の最新トレンド

 2016年頃から急速に普及したAIチャットボット。新たな顧客接点として、またコロナ禍で変化するマーケティングにおいて活躍の場を広げている。2022年3月に開催された「MarkeZine Day 2022 Spring」では、AIチャットボット導入メリットと活用方法をチャットプラス株式会社 代表取締役の西田省人氏が解説した。

日本が最新トレンドを生む「チャットボット」

 「チャットボットは、実は日本が世界をリードしている数少ないIT業界の1つです」

 チャットプラスの西田氏はチャットボット業界の勢いについてこう切り出した。チャットプラスは社名と同じチャットツールを国内に提供している企業だ。正式リリースの2017年1月から現在までにユーザー数は16,000ID。2021年には、Best Software in Japan TOP 50にMicrosoft 365やSlackと共にチャットボット企業の中では唯一選出された。いわばAIチャットボットを牽引する存在だ。

 日本でチャットが普及したのは2016年頃。丁度、ディープラーニングや機械学習で鍛えられたAIが登場したタイミングで、日本ではAIチャットボットがバズワードのように広がっていった。しかしながら、高額かつAIチャットボットの技術が未発達だったため、「導入したものの上手くいかなかったという企業も多かったのではないでしょうか」と西田氏は振り返る。

 その後、LINEなどで対話するコンバージョン型チャットボットが注目された。ECサイトや資料請求といった顧客に相対するシーンでは対話(チャット)型のほうが、利用者の離脱が少なくコンバージョンが上がりやすいと評価されたからだ。結果、2018年以降はコンバージョン型チャットボットが人気を博すようになった。

 現在は、コンバージョン向上を前面に出した成果報酬型のチャットボットも登場している。しかし西田氏は「コンバージョン型のチャットボットやWeb接客ツールは、まだ淘汰されていない状況ですので、始めるには時期尚早ではないかと思います」と注意を喚起する。

満足度を向上し、問い合わせ数を増やす

 チャットボットを導入するメリットはなんだろうか? 西田氏は3つのメリットを挙げる。

 1つ目は、顧客の満足度が上がることだ。電話やメールで対応する場合は60%程度の満足度が、チャットボットを導入することで90%近くまでに上がることが多いという。なぜなら、時間や場所に縛られず、短文で気軽に質問でき、レスポンスが早いからだ。

 メリットの2つ目は、問い合わせが増えること。上述の通り、チャットは短文で気軽に質問できるので、電話やメールに比べて問い合わせの手間が少ない。そのため、問い合わせへの障壁が消え、問い合わせしやすくなるのだ。また、短時間でメッセージ交換ができるため、細かな行き違いもなくコミュニケーションを取りやすく問題解決がしやすい。

 これらのメリットから、チャットボットを顧客とのタッチポイントやWeb接客として活用しているケースも多い。

 この2つのメリットを踏まえた上で、離脱率を抑えながら問い合わせ数を増やすためにチャットボットを導入したら取り組むべきことが2つあると西田氏は紹介する。

 1つはポップアップで顧客に話しかけることだ。Googleの調査によると、一般にWebサイトにおいてページ遷移後、顧客は10秒で40%が、30秒で90%が離脱する。せっかく費用をかけてページを用意しても、興味を引く施策がなければほとんどの顧客は30秒以内に離脱するのだ。対して、ページ遷移後15秒程度でポップアップによる話しかけを行うと、顧客の滞留時間が1分30秒ほど伸びると言われている。

 2つ目が、このポップアップしたチャット画面に「よくある質問」をいくつか表示させることもポイントだ。これにより、チャットボットへの流入が最高で3倍近く増えるという。

 「なんでもいいのでご相談ください」という曖昧な受け入れ体制よりも、「いくらかかるのか知りたい」「機能について聞きたい」「他社と比較検討中」「担当者とチャットしたい」など具体的な悩みを表示することで、行動を促すことができるのだ。

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チャットボットに切り替えパフォーマンスアップ

 3つ目のメリットがコスト削減だ。オペレーターが複数の問い合わせに同時で対応できるため、人員を削減しつつ良いパフォーマンスを維持できる。

 たとえばEC業界ではチャットを用いることで、電話に比べて5倍近くの受注を得られるようになったという。BtoB営業の場合、対面ではアプローチできる顧客数が1日4件だったものが、チャットで1日60件にまで増加した例もある。

人材業界でもリクルーターのコストが90%以上
人材業界でもリクルーターのコストが90%以上削減されている

 他にも、チャットの利用によりコスト削減と効率化が実現するシーンがある。実は顧客からの問い合わせ内容の70%~80%は共通しており、いわゆる「よくある質問」であることが多い。そのため、チャットボットで表示する選択肢の中に「よくある質問」を入れると顧客の自己解決につながる。中には、チャットボットを導入した途端に、電話問い合わせが3割ほど削減されたケースもある。

 また、配送先変更や、毎月届くサブスクリプションサービスのスキップ依頼といった定型業務をチャットボットに任せることで、社員は別の業務に集中することもできるようにもなる。

チャットボットで顧客に確実にアプローチ

 顧客満足度アップ、問い合わせ件数の増加、コスト低減という3つのメリットによってAIチャットボットが普及してきた。さらに、コロナ禍で企業のマーケティング活動が変化する中、チャットボットは、新たなマーケティングにも有効に活用されている。

 コロナ禍で起きたマーケティングの変化の1つとして、攻めから守りへのシフトがある。アウトバウンド営業や広告で顧客を獲得するよりも、サイトやサービスに訪れている顧客を確実にアプローチする方法に変化しているのだ。そこで、チャットボットを使うケースが増えてきている。

 たとえばBtoBビジネスの場合、リモートワークをしている企業も多いため、電話をかけてもつながらないケースも多い。そこでテレアポではなく、サイトにチャットを設置し、来訪者にその場でチャットを使ってアポイントを取るという手法が主流になりつつある。

 「このように費用をかけずにお客様との接点を高めていく、定型業務を自動化しチャットボットで完結させる活用方法が新型コロナ流行以降のトレンドになっています」(西田氏)

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AIチャットボット活用の注意点

 「何でもAIで回答させようとすると上手くいかないことが多いです。機能に絞ったほうがいいですね」と西田氏は、導入の際の注意点に言及する。1つのチャットボットですべてを行うのではなく、受注と解約で分けたり商品ごとにサポートを分けたりしたほうが、回答の精度が上がりコンバージョンも高まる傾向にある。

 続けて西田氏は「ペルソナに基づいた個別の出し分けよりも、みんなに共通するコンテンツを全員に提供する方向にシフトしています」と語る。

 AIを活用してパーソナライズされたコンテンツを提供することで、コンバージョンを最適化する。Web接客の文脈などでよく耳にする言葉だ。しかし、西田氏のもとには、こうした手法を取り入れた施策を試したものの、コストだけが嵩み結果は出なかったという相談が舞い込む。

 「月数百万する高額なWeb接客ツールを入れるのは、慎重になったほうがいいと思います」(西田氏)

FAQ×AIチャットボットで広がる可能性

 AIチャットボットによるコンバージョン向上の施策はまだある。それはFAQとチャットボットの連携だ。「FAQとチャットボットは競合イメージをお持ちかもしれませんが、両方を活用するとさらにメリットが高まるのです」(西田氏)

 顧客にはFAQを自分で探す能動的なタイプと、対話型のチャットボットのほうが解決しやすい受動型タイプがいる。そこで、能動的なタイプに対してはFAQを通して回答し、受動的タイプにはAIチャットボットを使って解決に導くことが効果的になる。そのためFAQとAIチャットボットの両方を活用すると、よくある質問を劇的に減らすことができる。

 こうした効果に加え、西田氏はFAQのさらなる活用について説明した。FAQとは顧客からの質問の集合だ。つまり、サービスをこれから利用しようとしている顧客が興味を持つ内容がFAQの中に詰まっている。「FAQの中にSEOとしてキーワードを入れ、かつ関連した商品の表示も同時に行えばPV数を高められます」と西田氏。

 つまりFAQとSEOを連動させながら、マーケティング的にFAQを活用できるのだ。西田氏は「この手法なら、カスタマーサポートとマーケティングを同時に行うことができ、非常に将来性があると考えています」と語る。

 最後に西田氏は、今までチャットボット導入で成功した企業の共通点として以下の3つを挙げる。

 ・なるべくスモールスタートで始めて膨大なコストをかけない
 ・よくある質問に自動回答することから始めて、だんだんと成長させていく
 ・最初から100点を狙わず、利用動向を見ながら修正をかけていく

 「駆け足ではありましたが、チャットボットで何かやってみたいとお考えの方はぜひご相談いただければと思います。皆様のマーケティング活動をしっかりサポートさせていただきます」と語り、西田氏は講演を終えた。

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この記事の著者

森 英信(モリ ヒデノブ)

 就職情報誌やMac雑誌の編集業務、モバイルコンテンツ制作会社勤務を経て、2005年に編集プロダクション業務やWebシステム開発事業を展開する会社・アンジーを創業。編集プロダクション業務においては、IT・HR関連の事例取材に加え、英語での海外スタートアップ取材などを手がける。独自開発のAI文字起こし...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/04/05 11:00 https://markezine.jp/article/detail/38682