一緒に売上を作るパートナーとしてともに成長
野間:サイバーエージェントさんから「プログラマティック広告に注力していく」と伺ったのは2021年の初めだったと記憶しています。当時はまだiOS14.5のリリース前で、プライバシーポリシーがどうなるかもわからないタイミング。それにも関わらず、なぜ舵を切ることができたのでしょうか。
白井:ちょうどその頃はアドフラウドが高度化を迎えていたタイミングでした。iOS14.5以降のSKAN(※)配信やATT(アプリのトラッキング申告)を加味すると、CPI固定だけでは売上が立たなくなると考えていました。各媒体へのヒアリングを通じて「CPI固定への投資額がDSP媒体市場に動いていく」という予測ができたので、DSP媒体の売上を立てるためにパワーを使い始めました。
※Store Kit Ad Networkの略。Appleのプライバシーに配慮したフレームワーク
野間:なるほど。私が日ごろ「ありがたい」と感じるのは、白井さんと金子さんがLiftoff Mobileとの取引金額にコミットしてくださることです。数ある取引媒体の1つとしてではなく、一緒に売上を作るパートナーとして議論ができるので、ここまでともに成長できたのだと思います。
広告主・代理店・媒体の「三方よし」を目指して
MZ:最後に、両社で今後実現していきたいことを伺えますか?
金子:これまでは、新規ユーザーの刈り取りという短期的な指標をクライアント様が重視していました。今はユーザーのLTVが高い媒体で長く太く配信する風潮にシフトしつつあるので、まさにその価値観を体現するLiftoffの提案に注力し、売上を作っていきたいです。
私が考えるLiftoff Mobileさんの強みは、海外の大型クライアント事例の多さです。海外市場の広告出稿額は日本に比べると桁違いに大きいですし、SKAN配信などの技術も進んでいます。グローバルの先進的な知見を共有いただき、一緒に日本の市場をけん引していきたいです。
野間:サイバーエージェントさんは日本で1番大きな代理店です。数多くのクライアントの代弁者として、我々媒体に対し積極的にご意見やご相談を寄せてくださいます。たとえば「こういう機能を作れませんか」というご提案をいただくことも。今後も単純なお取引ではない形で、クライアントの成果最大化やアドフラウド対策の啓蒙活動に協力して取り組んでいきたいです。
白井:代理店のリクエストを真摯に受け止めてくださる媒体の存在は、私たちにとっても貴重です。今後もシステムやサービスを一緒に磨きながら、弊社はきちんと売上を立てられるよう努力をしていきたいと思います。
「クライアント・広告代理店・媒体の3者が利益をきちんと上げられる状態がベスト」というのが私の考えです。その状態を継続し効果を出していくとなると、クライアント様の要求レベルも当然高くなります。クライアント様の要求を咀嚼した上で、Liftoffさんのような媒体と一緒に取り組めることを考えるのが広告代理店の介在価値ではないでしょうか。