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アドビのコンサルタント3名が考えるマーケターが押さえるべき「10の手法」

マーケティングの一丁目一番地たる「KPI設定」と「新人教育」について!属人的にならない環境構築が鍵に

 マーケターは日々、データ分析やレポート作成など様々な業務に追われている。その結果、業務をこなすので手いっぱいになり、肝心の顧客体験の改善などに十分注力できていないケースが散見される。そこで本連載では「マーケティング業務をいかに効率化して成果に結びつけるか」をテーマに、アドビのマーケティングコンサルタント3名を取材。第2回では、KPI設定のコツや、新人マーケターの育成方法を教えてもらった。

業務上、不必要なKPIは削ぎ落とすべし

――今回も、前回に引き続き橋本さん、飯島さん、梅澤さんに話をうかがっていきたいと思います。

(左)アドビ プロフェッショナルサービス事業本部 ビジネスコンサルティング本部
プリンシパルビジネスコンサルタント 橋本 翔氏
(中央)同部 ビジネスコンサルタント 飯島 亮介氏
(右)同部 シニアビジネスコンサルタント 梅澤 朋央氏

――前回は、マーケターの“あるある”の課題に対して有効な「10の手法」のうち、1と2についてうかがいました。今回は「3.業務上、不必要なKPIは削ぎ落すべし」からうかがっていきたいと思います。まず、KPIが多いとどのようなデメリットがあるのでしょうか?

マーケターのデータ活用に関する“あるある”の課題に対して、橋本氏は「10の手法」が役立つと語った

飯島:データを収集し、業務効率化に役立てる上でKPIの設定は非常に重要です。ただし、初めから多くのKPIを設定し過ぎると、その分、非常に細かいデータを取得しようとしてしまいがちです。その結果、それぞれのデータの理解や解析が浅くなるという弊害が生まれます

 確かに「このKPIが向上すれば、あのKPIも向上する」といったデータ間の相乗効果もあるので、複数のデータを見ること自体は良いことです。その場合は、事前にそれぞれのデータの関連性を把握しておきましょう

 たとえば「売上」や「利益」などの最終的なKPIを最上段に据え、それに影響を及ぼす「リテンション」や「顧客エンゲージメント」などの中間KPIを設定するのです。これらのKPIをツリー構造で整理し、各KPIの関連性や影響度を明確にしておくことで、必要なKPIと不必要なKPIを見極めることがより容易になります。

アドビのフレームワーク「KBOツリー」

橋本:新たなKPIを設定する際には、代わりに削れるKPIを探し、指標を5~8つに絞り込むのが望ましいです。

 ちなみに、アドビでは「KBOツリー」というフレームワークを活用しています。KBOツリーは「ビジネスゴール(企業全体で達成すべきハイレベルな目標)」と「KBO(Key Business Objectives:ビジネスゴール達成のために必要な戦略やアクション)」「KPI(各KBOの進捗を把握するための指標)」の三層構造で構成されています。

橋本:たとえばECサイトであれば、最上位のビジネスゴールは「売上の増加」であり、そのためのKBOとして「訪問回数の増加」や「CVRの改善」「平均購入単価の向上」などが考えられます。施策の評価においては、CVRよりもRPV(売上高/訪問回数)を重視するケースもあります。

 また、KPIはただ設定するだけでなく、すべての関係者と合意をとることが重要です。同じ数値目標に対して全員が行動できるよう、できあがったKBOツリーを共有して終わりにするのではなく、関係部門や関係者とのすり合わせを行いながら、合意した最終版を関係者へ共有しましょう。

梅澤:時期や戦略によって注視するべきKPIは変わるかもしれませんが、事業の最終ゴールに直結するKBOの内容は一定にすることをおすすめします。頻繁にKBOを変更すると、その下のレイヤーであるKPIの意味合いも変わってきてしまい、結果的にデータを基にした意思決定が難しくなるからです。KBOの選択と管理は慎重に行いましょう。

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この記事の著者

丸山 篤(マルヤマ アツシ)

大学卒業後、SI企業のSEを経て、1996年よりマイナビ。マイナビでは、PC月刊誌、書籍、マイナビニュースで編集を担当。マイナビニュースではエンタープライズチャンネル編集長、マーケティングチャンネル編集長、企業IT編集長、IT編集部長を務める。2023年4月にマイナビを退職し、フリー。現在、ASCI...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2023/08/02 09:00 https://markezine.jp/article/detail/42860

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