ゴールドジムが幅広いコラボを展開するわけ
セッションのモデレーターを務める藤原氏は、アクティブ合同会社のCEOとして企業のマーケティングを支援している。また、ベストボディジャパンに出場経験のある「マッスルマーケター」だ。「本日は筋肉×マーケティングについて、真面目に語りたいと思います」とセッションを始めた。
AKIHITO氏の経営するスマイルアカデミーは、マッチョのキャスティングやイベント企画を行う会社として「筋肉」中心の事業を展開。荒川氏のTHINKフィットネスはフィットネスクラブチェーン「ゴールドジム」を運営する中で、様々なコラボ企画を行っている。両社の独特な企画や施策は、どのようにプランニングされてきたのか。
まず、ゴールドジムにおけるマーケティングについて荒川氏が紹介。一昔前はジムに行くことやトレーニングすることへのハードルは高く、専門的なイメージがあった。荒川氏自身も「プロテインを飲むときには机の下に隠してシェイクして飲んでいた」と振り返る。
そんな時代を経て、現在はフィットネスブームが到来している。ゴールドジムでは一般の人たちのトレーニングへの関心を高める施策として、多様な企業とのコラボを展開。たとえば「いきなりステーキ」や「やよい軒」といった飲食チェーンとの企画が挙げられる。
やよい軒とのコラボでは、皮なしの鶏もも肉のステーキをメインにした「筋肉定食」を提供した。あまりの人気で用意した肉の在庫が終了してしまい、予定より前倒しでキャンペーンを終了するほどの盛況ぶりだったという。カフェチェーン「カフェ・ベローチェ」とのコラボでは、ゴールドジムが提供するプロテインで作ったドリンクを期間限定で販売した。荒川氏は「従来のイメージとは違い、おしゃれな喫茶店のメニューとなった」と振り返った。
「トレーニングをすべての人に届ける」ために
ロッテとのタイアップ企画では、バレンタインにちなんだ「腹筋板チョコ選手権」を2年連続で実施した。チョコレートの升目を腹筋に見立てた企画となり、ユーザーに自慢の腹筋の写真を送ってもらい優勝者を決めるものだ。
「優勝者にはプレゼントをお贈りする他、ロッテ様からチョコレートのサンプルをいただき、バレンタインの日にゴールドジムでトレーニングをした方にプレゼントをしました」(荒川氏)
飲食・食品の他にも、ゴールドジムはユニークなコラボ施策を行っている。しながわ水族館では、ゴールドジム会員でもある職員の希望でイベント開催が実現。ゴールドジムの有名トレーナーである相澤飛鳥氏が講師として参加し、筋肉についての講習やトークイベントを行った。
また、テレビ番組をはじめとするメディア協力にも積極的に取り組む。なかやまきんに君氏やオードリー春日氏が出演するテレビ番組の撮影場所として、ゴールドジムの店舗が協力している。さらにYouTubeの撮影場所としても提供しており、「ほぼ毎日のように様々な案件で活用いただき、ブランドのアピールにもつながっている」と荒川氏は語った。
多種多様なコラボ企画を展開するゴールドジムだが、藤原氏が「ゴールドジムがマーケティング施策で狙うターゲット層は?」と尋ねると、「全年齢、すべての方が対象」と荒川氏は答えた。コラボの提案が多く寄せられる中、トレーニングをすべての人に届けるというゴールドジムの理念に合致する企業と組んでいる形だという。