日本政府は、2016年に電力小売り事業への参入を全面的に自由化するため、今年2月に電気事業法の改正案を閣議決定した。電力小売り事業を展開するためには、電力メーターで使用量を計測して料金を計算し、顧客へ料金請求するための仕組み(CIS:Customer Information System)が必要になるが、これまでは高額な海外の製品を利用するか、自社開発が必要になる場合が多かった。
オージス総研と両毛システムズが開発したサービスは、電力使用量に応じた料金計算・請求情報の作成、入居者からの申込受付に対応する顧客・契約情報の管理、各戸に設置しているメーターの種類や設置場所などの設備情報を管理する機能を提供。国内のガス会社100社あまりで使われているシステムをベースに電力事業者向けに開発しており、日本の電力事業の約款などに対応したシステムとなっている。
オージス総研が提供する、電力スマートメーターからの検針データの収集・蓄積・見える化を行うメーターデータ管理サービスと合わせて利用すると、事業者は顧客情報や設備機器情報の管理、検針から料金計算、請求、回収までの一連の業務を行うことができる。
両社は、このサービスを高圧一括受電事業者や新電力事業者を対象に販売活動を展開。今年4月に、現状の電力料金計算に対応したスタンダード版を提供し、今後はデマンドレスポンスなどの多様な電力料金計算にも対応できる仕組み(料金計算エンジン)を搭載したハイエンド版を提供する。
【関連記事】
・楽天エナジー、「スマポ」を使った家庭向けデマンドレスポンスを展開
・グーグル、今年の世界の「急上昇キーワード」を発表 8位に「東京電力」
・日産、電気自動車をリモート操作するAndroidアプリをリリース
・TBWA博報堂がスマートハウス「ミライニホン」のコンセプトデザインを担当
・電通、100%自然エネルギーによる屋外サイン事業